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(2024/8/12 05:00)
水の大切さ、歴史に学び志す
(総合1から続く)もともと環境分野に興味があり、兄が高専でロボコンに打ち込んでいて、身近な存在だったことから木更津工業高等専門学校環境都市工学科に入りました。学校では主に水処理について学びましたが、構造力学をはじめとした力学の分野の授業が多く、実験と計算が多いのが特徴です。計算は苦労しましたが、設計をしていると、授業で学んだ公式が出てきたりして、高専で学んだことは決して無駄ではなかったと痛感します。
4年生の時に水処理の研究をするため水環境工学の研究室に入りました。水環境工学では水処理の工程や設備、処理技術などのほか、水道の歴史なども学びました。水道が未整備の時代には感染症が流行するなど、社会生活において、いかに水が重要かを学び、水に関わる仕事がしたいと、さらに強く思うようになりました。就職活動では高専の先生の紹介もあり、東京水道を選びました。インターンは別の会社でしたが、東京水道は高専の先輩が入社していて、女性も活躍し、福利厚生も整っていることが決め手になりました。
入社後は配水管の設計をしています。10年目の現在は管路設計調整課で工事の起案や進行管理が仕事です。一番苦労した案件は入社8年目に担当した河川の下に水道管を通す工事です。前例があまりない中で、先輩のアドバイスを受けながら、資料を探し、設計を進めました。昨年には主任になり、後輩へのアドバイスもしなければならない立場になったので、こうした経験を生かし、先輩として後輩を助けられる存在になりたいと思っています。最近、プランターを買って、プチトマトを育てるなど家庭菜園を始めました。料理も好きなので、次は自分でパンを焼いてみたいと思っています。(文=高屋優理、写真=中野徹二)
◇東京水道 管路設計調整課主任 野宮菜津貴(のみや・なつき)さん
(2024/8/12 05:00)