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(2024/9/19 05:00)
先端材料・応用技術の展示会「SAMPE Japan 先端材料技術展2024」(先端材料技術協会、日刊工業新聞社主催)が18日、東京ビッグサイトで開幕した。炭素繊維強化プラスチック(CFRP)やガラス繊維強化プラスチック(GFRP)を使った製品・技術が勢ぞろいし、多くの来場者が詰めかけた。会期は20日(オンライン会場は27日)まで。(総合1参照、渋谷拓海)
リサイクル技術を活用
電気自動車(EV)やハイブリッド車(HV)、半導体製造装置などの成長分野では強くて軽い素材への需要が高まっている。一方で自然環境保護の観点も欠かせない。
炭素繊維のリサイクル技術を持つ旭化成は、展示ブースにこうした技術を活用して加工・成形した製品を並べた。栗林祐介デジタルマーケティング推進室主査は「製品のサイクルを横断して見てもらいたい。要素技術がどこに刺さるか分からないが、予期しない需要をつかみたい」と意気込みを示した。
パイプ状に成形、用途拡大
三星工業(新潟県上越市)は炭素繊維をパイプ状に成形する技術「フィラメントワインディング」を紹介。同技術を手がけるのは国内でも数社のみという。ねじ切りなどの精密加工を手がける丸山技研工業(同)など近隣の中小企業5社との共同出展で、工作機械部品以外にも用途を拡大したい考えだ。三星工業の風間竜也複合材料係長は「パイプ状のCFRPやGFRPを求めている顧客はもっといるはず」と話す。
エーシーエム(横浜市都筑区)はCFRPの設計、成形、加工、組み立て、検査を自社工場で一貫して手がける。半導体製造で使うウエハー搬送ロボットのハンドで使う部品などを展示する。
UCHIDA(埼玉県三芳町)は、リサイクル材料とバージン材料を混ぜ合わせて3次元(3D)プリンターで積層する、CFRP用成形型の生産体制を構築したことを紹介。同様の設備を立ち上げるのは国内初という。内田敏一社長は「カーボンニュートラル(温室効果ガス〈GHG〉排出量実質ゼロ)とサーキュラーエコノミー(循環経済)に貢献できる。CFRP(の成形)を手がける同業他社が顧客になるかもしれない」と目を輝かせた。
(2024/9/19 05:00)