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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/12/26 05:00)
川崎重工業は2018年度にも、明石工場(兵庫県明石市)内に民間航空機用ジェットエンジンの修理・整備(MRO)工場を新設する。投資額は100億円程度。同社は早ければ21年度に民間用エンジン向け事業に本格参入する方針で、これに伴う投資となる。航空機エンジンのMRO事業はこれまで防衛省向けに実施していた。25年度に航空機エンジン事業で売上高3000億円(15年度比3倍)を目指す計画。MRO事業への参入で目標達成に弾みを付ける。
まずは米プラット・アンド・ホイットニー、日本航空機エンジン協会(JAEC)、独MTUエアロ・エンジンズが共同開発し、欧エアバスの「A320neo」に搭載する「PW1100G―JM」のMROを手がける。川重は25年度に民間機エンジンのMRO事業に参入する計画を打ち出していた。ただ、1100Gの整備需要が想定よりも早く拡大。4年前倒して21年度をめどに事業を始める考え。
MRO工場は明石工場内の老朽化した工場棟を建て替える。エンジン性能を確認する試運転設備(テストセル)、エンジンの洗浄設備や組み立て設備などを整備する。MRO事業の人員は、防衛省関連のエンジン整備経験者を中心に100人規模を見込む。
明石工場ではMRO工場の新設とともに、航空機関連の開発・生産体制を再編する。敷地内に分散していた航空機エンジンのギア製品については、関連設備を集約する。2期に分けてギアの開発・試験施設を建設。1期工事は12月に完成、2期工事は18年度に着手する。延べ床面積は1期、2期ともにそれぞれ4000平方メートル程度となる。
ギア製品の部品加工工場も17年度に新設する。開発・試験施設と部品工場を合わせた投資額は70億円で、MRO工場を含む明石工場での航空機エンジンの総投資額は、170億円を計画する。
(2016/12/26 05:00)