持株会社体制移行に向けて、TOPPANグループのパーパスを策定【PR】

(2023/9/29 00:00)

 凸版印刷は10月の持ち株会社体制移行に向けて、グループ理念「TOPPAN’s Purpose & Values」を策定した。グループの社会的な存在意義「Purpose(パーパス)」とその実現のため社員が大切にすべき四つの価値観「Values(バリューズ)」を新たに設定。230社以上が連なるグループ共通の指針でシナジー創出を支える。世界を照準にしたデジタル変革(DX)・サステナブル変革(SX)事業を主軸に事業構造変革を加速する。

  • 凸版印刷株式会社(2023 年 10 月より TOPPAN ホールディングス株式会社) 広報本部 宣伝部長 佐藤圭一氏

凸版印刷は印刷だけの会社ではない

 「トッパンのこと、印刷の会社だと思ってません?」―。2021年4月に放映した同社のテレビCM第1弾で俳優の大泉洋さんの言葉は、凸版印刷による世の中に向けた問いかけだ。

 凸版印刷は印刷だけの会社ではない。紙メディア事業が縮小する中、世界トップシェアを誇る透明蒸着バリアーフィルムや半導体用フォトマスクなど、印刷から派生した多様な事業を武器に、社会課題を解決し成長を続けてきた。23年度に始まった3カ年の中期経営計画では、25年度に営業利益の52%をハイブリッドBPO(業務委託)などのDX事業、国内外に展開する環境配慮型パッケージなどのSX事業、ヘルスケアなど新事業の三つで成長する方針を掲げる。

持株会社体制へ移行し、社名を変更

  • TOPPANホールディングス体制図

 成長を加速するため、10月には持ち株会社体制へ移行する。同時に持ち株会社の商号を「TOPPANホールディングス」、凸版印刷の事業を継承する事業会社を「TOPPAN」、「TOPPANデジタル」にする。4月には凸版印刷のセキュア事業部と旧トッパン・フォームズが統合した「TOPPANエッジ」が始動した。DXとSXを軸とした事業構造変革を推進する意志を込め、既存の事業領域を規定する「印刷」は商号に含めなかった。

グループのパーパスを策定

 グループシナジーの最大化には各社共通の指針が必要と考え、社会的な視点から企業の存在意義を発信する「パーパス」を検討。広報本部の佐藤圭一宣伝部長がリーダーとなり、少人数制でプロジェクトを立ち上げた。策定にあたり、グループ各社の経営層、次世代を担う若手従業員、関係各社を含めた数万人へのリサーチを実施。TOPPANの強みや社会、生活者に提供する独自の価値を定義して、同社が実現したい社会の姿を描いた。

 1900年の創業より受け継がれてきたTOPPANらしさと強みを「人の資質」「社会接点の多さ」「生活や文化を支える技術」「課題解決・実現力」の四つの要素に集約。社会や生活者に提供する独自の価値として「文化の創造・伝達を通じた社会生活への貢献」と「世界の社会課題やお客さまの課題に寄り添い、解決していく」という二つの要素を抽出した。

 四つのTOPPANらしさと強み、二つの提供価値を基に、「文化や暮らしの発展に貢献することで世界中に今以上の心豊かな生活をもたらす」ことを社会に向けて実践すると定義。これらの要素を統合し、同社独自のキーワードを盛り込んだ「TOPPAN’s Purpose & Values」が誕生した。

  • パーパスに込めた要素

 パーパスは「Breathing life into culture, with technology and heart.人を想う感性と心に響く技術で、多様な文化が息づく世界に。」。グローバル事業の拡大を見据え、英語を基準に最初に掲げ、日本語を添える形でメッセージを作り上げた。

 同社は印刷技術を起点に幅広い事業を通じて情報やくらしに密接に関わり、文化の創造や伝達に貢献してきた。さまざまな国や地域、人の個性や生活を尊重し、世界に文化の息吹を吹き込むことが同社グループの存在理由と定義した。

 「多様な文化が息づく世界」の実現に向けて大切にする独自の手段が「人を想う感性」と「心に響く技術」。人の気持ちや考え、ニーズを察知する力とアイデアや発想力に、印刷を起点に培ってきたハードからソフトにわたる技術力を掛け合わせて、人の心に感動を届ける。

  • TOPPAN’s Purpose & Values

社員も自分のマイパーパスを考えるキッカケに

  • 社員全員に配布した冊子とカードを説明する佐藤部長

 佐藤部長は「社員も自分のマイパーパスを考えてみてほしい」と話す。TOPPANグループのパーパスと少しでも重なる部分があれば、同社で働く自分の選択に自信と誇りが持てる。「3―7割が重なれば良いと思う。意外と大切なのが重ならない部分。マイパーパスの実現に向けて、自分が中心となって会社を動かせば、会社自体も良い方向に変化する」。社員一人ひとりが働く意義を見つめ直し、強い思いを持って行動すれば変化やイノベーションが起きると期待する。

 「TOPPAN’s Purpose & Values」の理解につなげるため、約5万人の社員に配布した冊子やカードは青と赤のグラデーションが印象的なデザインだ。「人を想う感性」を赤、「心に響く技術」を青に見立て、それらが重なり合って多様な色に変化していくことを表現した。それ以外にもこの2色でバリューズも示している。四つのバリューズのうち、誠意を持って行動し、信頼関係を築く「Integrity」は青。既に同社が長年培ってきた強みだ。今後は情熱を持ち、積極果敢に挑戦する「Passion」と、創造力を駆使して新しい価値を生み出す「Creativity」を強化し、周囲に先駆けて考えスピーディーに行動する「Proactivity」を新たに身につける。獲得を目指す三つの価値観を赤で表現した。「当社は素直で良い人が多い。一方で『皆が反対してもやりたい』という強い意志を持った人が変革をもたらすと思う。長所は保ちつつ、変化に挑戦する精神も両立していきたい」。

 パーパスの策定にあたり、グループ各社の企業理念や歴史をひもとくと「企業は人なり」「人間尊重」という言葉が多く見られたという。「パーパスとバリューズは半永久的に掲げるモノ。社員から愛され支持され続けてほしい」(同)。TOPPANグループが大事に育んできた人財がパーパスやバリューズの共通点を持って交流し、どのようなシナジーが生まれるか、期待がかかる。

TOPPANと日刊工業新聞社のコラボレーションメディア「ジャーナグラム」はこちら

https://www.nikkan.co.jp/jm/toppan

(2023/9/29 00:00)

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