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(2021/5/25)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:セイコーエプソン(株)
47年ぶり2回目の受賞『レーザー光源を用いた大光量高画質プロジェクターの発明』
セイコーエプソン株式会社は、このたび令和3年度全国発明表彰(主催:公益社団法人発明協会)において、『単一色のレーザー光源を用いた大光量高画質プロジェクターの発明(特許第5928569号)』が「内閣総理大臣賞」を受賞したことをお知らせします。当社が同賞を受賞したのは、1974年の「カレンダー時計の日付・曜日修正装置の発明(実用新案登録第957711号)」以来、2回目となります。
表彰式は、6月22日(火)にオークラ東京(東京都港区)にて開催される予定です。
全国発明表彰(1)は、皇室から御下賜金(2)を拝受し、日本における発明などの完成者や実施者、および発明奨励に関する功労者を顕彰することにより、科学技術の向上および産業の発展に寄与することを目的として行われています。そして、最も優れた発明・意匠の完成者には恩賜発明賞を、次いで「内閣総理大臣賞」が贈呈されます。
(1) 大正8年(1919年)の第1回帝国発明表彰に始まり、文部科学省、経済産業省、特許庁、日本経済団体連合会、日本商工会議所、日本弁理士会、朝日新聞社の後援により開催。
(2) 天皇誕生日に際し、皇室の発明奨励に対する思し召しにより、金員を下賜されるもの。
今回表彰の対象となった発明は、レーザー光と回転蛍光板を用いた赤緑青の投写光の生成とともに、レーザー光をデジタル的に明滅させて明るさ調整を可能にしつつ、投写映像にちらつきが発現しないようにした技術が評価されました。本技術を採用することで、レーザー光源プロジェクターの高輝度・高画質化を実現しました。
【受賞および受賞者】
<内閣総理大臣賞>
豊岡 隆史(とよおか たかし) セイコーエプソン株式会社 ビジュアルプロダクツ事業部 VP企画設計部
座光寺 誠(ざこうじ まこと) セイコーエプソン株式会社 ビジュアルプロダクツ事業部 VP企画設計部
<発明実施功績賞>
小川 恭範(おがわ やすのり) セイコーエプソン株式会社 代表取締役社長
【受賞者コメント】
<豊岡 隆史>
本発明をはじめとする技術により高輝度・高画質のプロジェクターを実現し、プロジェクションマッピングやデジタルアート等の新しい映像表現の発展に貢献できたことは、大変光栄に思います。この度の栄誉ある受賞は、当社で多くの仲間とともに取り組んだ映像技術開発の成果を評価いただいたものと考えます。今後も、大画面映像や光の美しさによる価値を追求し、こころ豊かな社会の実現に向けた技術開発を進めてまいります。
<座光寺 誠>
この度は内閣総理大臣賞という大変栄誉ある賞を頂くことができ、大変光栄に思います。本発明を含むレーザー光源プロジェクターの実現においては、基礎開発から製品化まで携わりながら、全く新しい商品の創出に取り組んできました。課題解決には多くの苦労がありましたが、世の中でより広く使用される製品となり、今回の受賞に結びついたことは、仲間と一緒に取り組んだその苦労が認められたように感じ、大変嬉しく思います。今後も、より身近で使い勝手の良いプロジェクターの実現に向け、技術開発に取り組んでいきたいと思います。
レーザー光源プロジェクターはランプ光源モデルと比較して、高輝度で長寿命化や装置の小型化が可能なため、環境負荷を低減できます。また、瞬時点灯可能で、さまざまな角度から投写できることから設置角度に制約がなく、天井や床への投写も容易です。さらに、本技術の採用により投写映像の明るさをデジタル的に簡便に調整できることから、使用環境に応じた高い利便性を有します。
本技術を採用したプロジェクターは、「森ビル デジタルアート ミュージアム:エプソン チームラボボーダレス」(東京都江東区)において色鮮やかな投写映像による幻想的な空間演出に用いられるなど、新しい映像表現を実現するツールとして芸術文化面でも貢献しています。
【本発明の概要】(図1)
本発明では、蛍光体にレーザー光を照射すると所望の色光を発光できる点に着目し、単一色のレーザー光を回転蛍光板に光照射して得られる発光(黄色=赤色+緑色)と、単一色のレーザー光(青色)に基づき赤緑青の色光を生成し、これを投写光に用いました。また、プロジェクターに必要な明るさの調節には、明るさに対応した長さのパルス幅を有する周波数信号を用いてレーザー光をデジタル的に明滅可能な構成にしました。さらに、レーザー光の明滅周波数と回転蛍光板の回転周波数が干渉すると、映像ちらつきが発現することから、2つの周波数を最適設定しました。これによりプロジェクションマッピングなどにも使用できる長寿命で利便性の高い高輝度・高画質のプロジェクターが実現できました。特に、明るさをデジタル的に、より正確に制御できることから、空間演出など複数台のプロジェクターを用いる場面においても利用しやすくなっています。
【関連リンク】
・本発明の詳細および、受賞者インタビューは下記ウェブサイトをご参照ください。
www.epson.jp/technology/interview/projector.htm
以上
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