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九州大学と双日、分離膜を用い、大気から二酸化炭素を直接回収する技術とその関連技術の社会実装に関する覚書を締結

(2022/2/9)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:双日株式会社

国立大学法人九州大学(以下「九州大学」)と双日株式会社(以下「双日」)は、大気から二酸化炭素(CO2)を直接回収する技術(Direct Air Capture, 以下「DAC技術」)とそれに関連した最先端基盤技術の実用化・事業化の推進を図るための覚書を締結しました。九州大学と双日は、持続可能な社会の実現に向けて、最先端の実用化技術を活用した社会実装を通じて社会課題解決とカーボンニュートラルへの取り組みを推進します。



DAC技術とは、大気中のCO2を直接回収する技術です。これまでのDAC技術は、工場や火力発電所の排気ガスなどCO2濃度が高い排出源でのCO2回収に用いられてきた、吸収・吸着剤を用いる回収技術がベースとなっていました。しかしこの方法では、CO2を回収した後、加熱や減圧によってCO2を再回収しなければならず、このために要するエネルギーの多さが課題となっています。また従来のDAC技術では、DAC設備の導入に制約がある場合が多く、設置場所が限定されるという問題もありました。
九州大学カーボンニュートラル・エネルギー国際研究所(以下「I²CNER」)が   研究開発を進める、世界で初めての膜を用いたDAC技術は、空気を膜でろ過するだけでCO2を回収するため、導入地点の制約が大きく緩和され、さまざまな場所で回収装置が設置可能です。また、吸収・吸着方式で必要であったCO2の再回収が必要ないため、必要エネルギーが大幅に削減可能です。
回収されたCO2は、燃料、化学品等の原料としての活用や、農作物の栽培、飲料、ドライアイスの製造等に直接利用できます。膜を用いたDAC技術の活用により、CO2の利用場所が広がることが期待されます。
九州大学では、膜を用いたDAC技術とCO2転換技術の2050年までの世界普及を目指し、実用化に向けたさまざまな技術の開発を行っています。
九州大学は、この膜を用いたDAC技術とCO2変換を統合するという研究計画を 提案し、内閣府が後押しするムーンショット型研究開発制度(未来社会を展望し、実現すれば大きなインパクトが期待される大胆な発想に基づく挑戦的な研究 開発を推進する制度)に採択されました。研究の中で「2030年には社会実装に向けた必要機器が開発済みになり、大量生産して社会実装に向けて動きだす」という目標が掲げられています。
現在は社会実装を想定した複数の企業ならびに大学から成る産学連携体制設立の準備を進めており、その中で九州大学と双日の覚書締結が実現しました。
今回の覚書は、I²CNERが培ってきたCO2の回収、貯留、変換などカーボンニュートラル、さらにはカーボンネガティブを目指す世界最先端の知見と双日が推進 する脱炭素に向けた取り組みの知見をベースに、カーボンニュートラル・ネガティブの実現に必要な要素技術の社会実装に関する協業・連携の可能性を追求すべく、締結するものです。
締結後は、産学連携体制を基盤に膜を用いたDAC技術の研究開発を促進し、商業化の実現を目指した協議と活動を行います。


【覚書の骨子】



【九州大学の概要】




【双日の概要】



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