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(2018/3/14)
カテゴリ:調査レポート
リリース発行企業:株式会社エモスタ
「教え方がうまい」とはどういうことなのか?
これまで定性的にしか語られてこなかった資質・能力を、心理学モデルと感情認識AIを用いて解析しました。
鍵は「驚き」と意外にもネガティブな感情にありました。
リバネス・エモスタ、感情認識AIを用いた学習効果の定量化についての共同研究を実施
知識の集積・融合から新たな価値を生み出す「知識製造業」を事業とする株式会社リバネス(以下、リバネス)と、ひとの表情から93%以上の精度で感情を認識し、複数人認識時には共感度を計測するAI、「Emoreader(特許出願中)以下:エモリーダー」を開発する株式会社エモスタ(代表取締役:小川修平/本社:東京都中央区、以下エモスタ)は学習効果の定量化についての共同研究を実施いたしました。
ひとの感情はひとの行動や考えに大きく影響を与えるものでありながら、これまで定量化が難しかった分野ですが、近年の機械学習や顔認識技術の進展により急速に研究が進んでおります。関連するテクノロジー市場は、2021年には5.4兆円市場※1になるとみられ、表情による測定技術はその重要な一角を占めます。
中でも、感情のパターンを通じて、「信頼」「印象」「共感」「エンゲージメント」といったこれまで定性的にしか表現できなかった情報を定量化することで、マーケティングや人材開発の領域で大きな可能性を秘めているものと考えております。
このような感情計測の可能性を模索する一環で、学習効果(学習コンテンツに対するエンゲージメント)の定量化についての共同研究をリバネス、エモスタで実施いたしました。
今回の研究では、熟練ファシリテータと非熟練ファシリテータそれぞれのワークショップにおける参加者の感情と学習効果についての関係を比較検討しました。
添付資料、図1に示す学習における感情の役割モデルに基づき評価を実施したところ、当該心理学モデルで期待される差異がファシリテータ間で観察されました。
今回適用した心理学モデルに基づけば、感情量、その中でも特に「驚き」や「悲しみ」「怒り」といった感情量について有意な差(学習効果が高いほど感情量が多い)が見られることが予見されたところ、図2,3に示す通り、熟練ファシリテータの参加者からはより多く上記の感情が記録されました。
今回の研究のサンプル数が少ないことから統計的に有意な結論は導くことはできないものの、ワークショップ中の感情を計測することで、どの程度参加者がワークショップの内容を理解したか、どの程度記憶定着したかを予測することの可能性を示唆しております。
今回の成果を適用し、今後学習コンテンツの評価、設計、ファシリテーション補助などにおけるアプリケーションへの発展が期待されます。
※1 http://www.marketsandmarkets.com/PressReleases/affective-computing.asp 参照
株式会社リバネス
「科学技術の発展と地球貢献を実現する」という理念のもと、そこに集まる専門知識や技術や人などをつなぎ、組み合わせることによって社会に新たな価値を創出する研究者集団。子供向け科学実験教室から始まり、、異分野融合による研究テーマの創出やベンチャー支援など、さまざまな事業を行っている。近年では、心理学をはじめ、人文・社会科学領域での研究支援も手がけている。https://lne.st/
株式会社エモスタ
2017年創業、臨床心理士でもあるアレクサンダー・クリーグ氏が自身のカウンセリングの質をあげることを目指して「エモリーダー」を開発。義兄で現CEOの小川修平がプロジェクトに加わりプロダクト化。複数人同時計測と共感度計測をすることでコミュニケーションにおける深いインサイトに迫ることを可能とした。同ソフトウェアの開発のほか、感情データの統計解析を用いたコンサルティング、感情データを活用したサービス、心理学コンテンツの開発を通じて、人々が自分の価値観に沿った人生を歩む支援を行う。http://www.emosta.com
【添付資料】
図1. 学習における感情の役割
“Dynamics of affective states during complex learning” by S. D’Mello, 2011, Learning and Instruction, p. 3. Copyright 2011 by Elsevier.より許諾を得て掲載
図2. ファシリテーターおよび参加者の感情ごとの感情量総量
図3. 学習効果についての参加者による評価結果(満足度、おすすめ度については5段階評価)
「エモリーダー」開発者アレクサンダー・クリーグ氏のプロフィール
米/ミシガン州出身
米/ハワイ大学・臨床心理学博士課程(2018卒予定)
フルブライト奨学金及び、皇太子明仁親王奨学金を活用した東京大学、一橋大学との共同リサーチプロジェクトに従事
国際学術誌に12論文掲載実績
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