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シリア危機/アフリン・東グータ:避難民の受け入れ準備追いつかず【報道参考資料】

(2018/3/23)

カテゴリ:その他

リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会

シリア危機/アフリン・東グータ:避難民の受け入れ準備追いつかず【報道参考資料】

取り残された人々への支援、困難続く


ユニセフが提供した貯水タンクの前に立つ男の子。(2018年3月20日撮影) (C) UNICEF_UN0187068_Nader
【2018年3月20日 ジュネーブ発】

本日、国連ジュネーブ事務所の定例記者ブリーフィングで、ユニセフ(国連児童基金)の広報官マリキシ・メルカドが報告した、シリアのアフリンおよび東グータの子どもたちの最新状況を抜粋してお伝えします。

* * *

<アフリン>
ユニセフが最後に、アフリン地区に保健・栄養支援物資を届けることができてから20日が経過しました。戦闘によりアフリン市の水源が損傷したとされ、3月6日以降、アフリン市の人々は深刻な水不足に苦しんでいます。ユニセフによる給水トラックも、暴力が激化した3月15日以降、支援を必要とする地域に対し、人々が切望する安全な水を届けることができずにいます。

ユニセフは、アフリン周辺の村々へ避難してきた約2万人の家族に対して緊急支援を提供していますが、アフリン地区にはその半分が子どもとされる推計10万人が今でも残っており、彼らもまた人道支援を緊急に必要としています。ユニセフとパートナー団体は、不足しているとされる医薬品を含めた支援物資を届ける準備が整っています。

スーツケースで子どもを運び、避難する男性。(2018年3月15日撮影) (C) UNICEF_UN0185401_Sanadiki
<東グータ退避>
私たちの推計では、3月13日以降に東グータから退避した人々の数は4万5千人から5万人にのぼり、その70%は女性と子どもです。報告によれば、東グータを出るための検問所で集合避難所に移動するのを待っている人が数万人います。

東グータから退避する人々は、4カ所の検問所から7カ所の集合避難所に移動します。退避者の数が増えるのに合わせて、政府は日々新たな避難所を指定しています。急激に増える巨大な人数を受け入れる準備が整っていない多くの集合避難所はすでに許容量を超え、ほとんどが修理を必要としています。

いくつかの場所は集合避難所として設計されています。しかし、避難所として使われている学校や教育施設はドアが壊れ、窓が割れ、水と衛生施設が機能していません。ユニセフはいくつかのトイレを修繕し、必要な個所にはプレハブの仮設トイレを設置しましたが、水と衛生は深刻な課題であり続けています。ある避難所では、トイレを使うのに3時間も並びます。

避難所には、特に子どもたちにとって、明らかな安堵感が広がっています。彼らは飢えと疲労を抱えてやってきますが、避難所の敷地は笑い声に包まれています。ある女の子はビスケットの値段にびっくりしています。ハムリーエでは300ポンド(60セント)したビスケットが、ここでは50シリアポンド(10セント)です。6歳の男の子は朝食について、彼が暮らしていたKafr Batnaの村では、何日も食べられない日があったと言います。ハムリーエから来た12歳の男の子は、退避する前日に家が爆撃を受けた際に負った傷の治療を受けています。生後12日の男の子モハンマドは、生まれて初めて太陽を目にし、感じることができました。子どもたちは、どんなに学校に戻りたいかを語りました。そして、東グータで学校が開校されているときは日が昇る前の朝5時に登校して、戦闘が始まる前の8時までに家に戻っていたと話しました。

ユニセフは東グータの検問所で待っている人々への水の提供や、現在国内避難民を受け入れているほぼすべての集合避難所に給水トラックを配備し、ボトル入り飲料水の配布も続けています。ユニセフは、複数の移動診療・子どもの保護チームを展開し、医療支援、予防接種および保健・栄養ケアを提供しています。退避する際にほとんどあるいはまったく所持品を持ってこられなかった家族に対して、毛布、衣類、赤ちゃん用キットを提供しています。そして、出来るだけ早く、子どもたちを教室に戻し、勉強に追いつけるよう手助けしなければなりません。

昨日、ユニセフの支援物資はシリア赤新月社によって東グータで新たにアクセスが可能になったKafr Batna、SaqbaおよびHamouriehに届けることができました。高エネルギー・ビスケットやボトル入り飲料水は、ICRCが準備した食糧パッケージおよびパンと一緒に配布されました。

避難先の学校で、ブランケットにもたれかかる女の子。(2018年3月20日撮影) (C) UNICEF_UN0187066_Nader
アフリンや東グータから退避した子どもたちと家族に対して支援を届けていますが、依然としてアフリンと東グータの包囲されている場所には何千もの家族が残っています。これらの子どもたちは今でも攻撃を受けており、切実に支援を必要としています。私たちは、彼らにも支援を届ける必要があり、すべての紛争当事者に、無条件に安全かつ持続的に支援を届ける許可を求めます。子どもたちはどこにいようとも、誰の支配下に置かれていたとしても、人道支援を受ける権利があります。

ユニセフは当初、5万人を対象にした支援を計画していました。しかし今は、20万人の東グータから退避した人および東グータに残っている人の両方に対する支援を準備しています。これらの必要不可欠なニーズに応えるために、ユニセフは新たに2,000万米ドルを必要としています。

* * *

■ユニセフについて
ユニセフ(UNICEF:国際連合児童基金)は、すべての子どもの権利と健やかな成長を促進するために活動する国連機関です。現在190の国と地域※で、多くのパートナーと協力し、その理念を様々な形で具体的な行動に移しています。特に、最も困難な立場にある子どもたちへの支援に重点を置きながら、世界中のあらゆる場所で、すべての子どもたちのために活動しています。(www.unicef.org)
※ユニセフ国内委員会(ユニセフ協会)が活動する34の国と地域を含みます
※ユニセフの活動資金は、すべて個人や企業・団体からの募金や各国政府からの任意拠出金で支えられています

■日本ユニセフ協会について
公益財団法人 日本ユニセフ協会は、先進工業国34の国と地域にあるユニセフ国内委員会のひとつで、日本国内において民間として唯一ユニセフを代表する組織として、ユニセフ活動の広報、募金活動、政策提言(アドボカシー)を担っています。(www.unicef.or.jp)

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