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(2018/4/27)
カテゴリ:その他
リリース発行企業:公益財団法人日本ユニセフ協会
予防可能な病気で死亡した5歳未満児年間140万人、予防接種を受けた事がない子ども1,300万人
【2018年4月23日 ニューヨーク 発】
ワクチンは、病気を予防し、子どもたちの命と健康を守ります。しかし、2016年には、推定140万人の5歳未満児が、ワクチンで予防できたはずの疾病が原因で命を落としました。5歳未満で亡くなった子どもの4人に1人は、肺炎、下痢症、あるいははしかが原因で、そのほとんどはワクチンの接種で予防できたはずです。世界の子どもの7人に1人にあたる1,900万人以上が定期予防接種を受けておらず、そのうち1,300万人は予防接種を1度も受けた事がなく、彼ら自身と地域を疾病と死のリスクに晒しています。予防接種率の低さは、母親と子どもにとって、他の保健分野での成果を台無しにするものです。予防接種を最も必要としている、最も貧しく、最も弱い立場にある子どもたちが、最も受けられない状況が続いています。
ユニセフ(国連児童基金)とパートナー団体は、確実にすべての子どもたちの命が守られるように活動しています。しかし、予防接種が優先されなければ、社会から最も疎外されている子どもたちの中には、予防接種の恩恵を受ける権利を奪われ、生死を分けることになる可能性もあるのです。
このような困難に直面しつつも、ワクチンは今まで以上に多くの子どもたちを守っています。この驚異的な成功の陰には、子どもたちに予防接種をするために、恐怖や疑いの目を向けられながらも村々を廻る保健員たちの多大なる努力があります。
「昨年、ワクチンによって命を救われた子どもは推定300万人にのぼります。この300万人は最も遠い場所に暮らしていても、ジャングルや海を超え、何百マイルも歩いてワクチンを届けにきた何百万人もの現場で働く保健員のおかげで今を生きる、未来の医師、教師、芸術家、地域指導者、母親、父親です」とユニセフ本部予防接種部長のロビン・ナンディは述べました。「私たちは、命を守るために極めて危険な仕事を担っている無名の英雄たちを支援するために、今後も、紛争の影響を受ける地域も含め、現地政府当局と協力していきます」
<予防接種に関する12のデータ>
1.予防接種を受けていない子どもの3分の2は、脆弱な国あるいは紛争の影響を受ける国に暮らしています。2010年から2016年の間に、予防接種率(*注1)が最も低下したシリアでは38%低下し、2番目のウクライナでは33%低下しました。
2010年以降に予防接種を受けた子どもの数が著しく増加した国には、インド、エチオピア、コンゴ民主共和国、バングラデシュ、フィリピン、メキシコ、タンザニア、ベトナム、トルコ、およびスーダンが含まれ、この10年間の予防接種率の向上に大きく貢献しています。インドでは予防接種を受けていない子どもの数(**注2)は2010年の530万人から2016年の290万人に45%減少しました。
2016年時点で、予防接種を受けていない子ども(*注2)の半数は6カ国に集中しています:ナイジェリア(18%)、インド(15%)、パキスタン(7%)、インドネシア(5%)、エチオピア(4%)、およびコンゴ民主共和国(3%)。
2010年から2016年の間に最も予防接種率(*注1)が向上した10カ国は、パラオ(29%)、マルタ(21%)、コンゴ民主共和国(19%)、コモロ(17%)、アゼルバイジャン(16%)、エチオピア(16%)、東ティモール(13%)、バルバドス(11%)、コスタリカ(9%)、およびインド(9%)。
2017年に、イエメンは記録史上最悪のコレラの流行に見舞われ、感染が疑われる症例が100万件以上、そのうち約29%が5歳未満児でした。南スーダン、ソマリア、モザンビーク、マラウィ、シエラレオネ、フィリピン、ナイジェリア、チャド、ハイチ、カメルーン、ザンビア、およびバングラデシュでは、コレラの集団発生時あるいは予防キャンペーンを通して、約520万人が2回の経口コレラワクチンの接種を受けました。
ジフテリアは予防接種の効果でまれな病気となったものの、一部で再発生しています。ロヒンギャ難民の間の集団発生でジフテリアに感染した4人のうち3人が子どもで、ユニセフはバングラデシュ南部で何度か大規模な予防接種キャンペーンを通して、50万人近くの子どもに予防接種を提供しました。
ポリオは1988年の1年間に35万件の発症例がありました。その後25億人を超える子どもたちが予防接種を受けました。昨年のポリオの発症例は2カ国22件に留まり、今日、世界はポリオ根絶に最も近づいています。今年、4億人以上の子どもたちが予防接種を受ける予定です。
2000年から2016年の間に行われたはしかの予防接種により、推定2,000万人の子どもたちの命が守られました。
アフリカでは2026年までに、その約半数を15歳未満の子どもが占める10億人が黄熱の予防接種を受ける予定です。黄熱ワクチンの年間生産量は2001年の2,000万回分から8,000万回分の4倍となり、今後数年間でさらに増加が見込まれています。
ジフテリア、破傷風、および百日咳3種混合ワクチンの予防接種を受けた乳児の割合は、30年ほど前の52%に対して、2016年には推定86%にのぼりました。
ユニセフは2017年に、13億米ドルに相当する予防接種用ワクチン24億回分を調達し、世界の子どもの45%に提供しました。
新生児の命を危険に晒す妊産婦および新生児破傷風は、ワクチンのおかげで、15カ国を除く世界すべての国で抑えられています。エチオピア、ハイチ、およびフィリピンでも、2017年に排除されました。
*注1:予防接種率は、ジフテリア、破傷風、および百日咳3種混合ワクチンの予防接種を3回受け、生存している乳児の割合。
**注2:予防接種を受けていない子どもの割合は、ジフテリア、破傷風、および百日咳3種のワクチンの接種を必要とされる3回受けていない子どもの割合。
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■データに関して
本信で使用しているデータは、世界保健機関(WHO)とユニセフが推定した『国別予防接種率(2016年版)(national immunization coverage (2016 revision))』をもとにしています。http://apps.who.int/immunization_monitoring/globalsummary/timeseries/tswucoveragebcg.html
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■ 本信はユニセフ本部が発信した情報をもとに、日本ユニセフ協会が編集・翻訳したものです。本信の原文は、https://www.unicef.org/media/media_102809.html からご覧いただけます。
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