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生産現場でリアルタイムに製品を検査するディープラーニングを使った異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection」を発表

(2018/10/3)

カテゴリ:商品サービス

リリース発行企業:株式会社システムインテグレータ

生産現場でリアルタイムに製品を検査するディープラーニングを使った異常検知システム「AISI∀ Anomaly Detection」を発表

株式会社システムインテグレータ(本社:さいたま市中央区 代表取締役社長:梅田弘之、東証1部 証券コード3826、以下「当社」)は、ディープラーニング技術を使って製品の品質検査を行う異常検知システム(AISI∀(アイシア) Anomaly Detection、以下「AISI∀ AD」)を2018年10月24日に発売します。



◆これから一気に需要が広がるAI異常検知分野に向けた製品


これまで製品の品質検査には、サイズや温度、圧力などのセンサーデータをもとに品質チェックを行う検査装置が使われていました。しかし、これらの装置で検査できる範囲は小さく、工場内にはいまだに人が目視で検査しているラインが数多くあります。

ディープラーニングの登場により、これまで人でしかできなかった異常検知をAIが行うことが可能になりました。その技術革新を背景に、現在、先駆的企業においてAIによる異常検知の実用化に向けたPOC(概念実証)が取り組まれています。しかし、現状ではAIのモデル作成を一から行っているため、コストと時間が非常にかかっているのが大きなネックになっています。

そこで、当社は「ディープラーニングを使った異常検知」を行うのに必要な機能をオールインワンで備えた異常検知システム「AISI∀ AD」を製品化しました。AIに不慣れなユーザーやベンダーでも簡単に使えるため、すそ野を広げて、より多くの企業がAIを使った異常検知を短期導入できるようになります。

◆クラウドで学習し、エッジで異常判定

ディープラーニングは、正常・異常を判断できるAI(分類器)を育成する学習プロセスと、出来上がった分類器を使って現場で異常検知を行う判定プロセスから構成されます。

「AISI∀ AD」は、図1右のように学習環境が整備されているクラウド「Microsoft Azure Learning Service」を使って学習します。学習済の分類器は、「Azure IoT Hub/Edge」を使って簡単にエッジコンピュータに格納(デプロイ)することができます。エッジとは、IoT端末(ここではカメラの映像)から入力される膨大なデータを、クラウドに流さないでもAI処理できる現場コンピュータのことで、AIの計算処理に向いたGPUチップを積むことにより高速処理が可能です。

図1:「AISI∀ AD」のシステム環境
学習プロセスでは、図2のようにカメラで撮影した動画データをアノテーション(ラベル付け)して学習データとし、それを機械学習(ディープラーニング)して正常・異常を見分けられる分類器(AIモデル)を作ります。

図2:学習プロセス
判定プロセスでは、図3のように製造ラインに流れてくる製品をカメラで撮影し、動画の中の製品(オブジェクト)を自動検知した上で、分類器によって正常異常を判定します。異常検知状況はリアルタイムにモニタリングできるほか、人が介在して正常異常の最終確認を行ったり、異常箇所にヒートマップ(印)を付けたりする仕組みも用意されています。

図3:判定プロセス(本番運用)
図4はワッシャーの異常検知をモニタリングしている画面例です。エッジ端末で異常判定された結果が続々とモニタに流れ、AIの判定のミスを人が訂正することも簡単にできるようになっています。

図4:ワッシャーの異常検知(リアルタイムモニタリング画面)
◆「正常データのみ学習」と「正常異常両方を学習」の2つのモデルに対応

ディープラーニングを使った異常検知を導入する際に問題となるのが学習データの用意です。正常データならたくさんあるが、異常データはあまりないという現場が非常に多いのです。そこで「AISI∀ AD」では、「正常データのみ学習するモデル」と「正常異常両方を学習するモデル」の2モデルを装備し、いろいろな現場の事情に応じた導入を可能としています。

モデルによって使われるディープラーニングのアルゴリズムは全く異なります。正常品のみ学習するモデルでは、VAE(Variational Autoencoder)に代表される生成モデルを利用し、当社独自技術のカメレオンフィルタを使ってノイズと異常を高精度で見分けて異常箇所をヒートマップ表示します。

正常品と異常品の両方を学習するモデルでは、畳み込みニューラルネットワーク(CNN)を使って高精度な判定が行えます。転移学習や水増しなどの技術により、少ない学習データで訓練できる仕組みを標準装備していますので、異常品のデータが少なくても対応できます。

◆異常検知に必要な機能をオールインワンで装備

「AISI∀ AD」は、試行錯誤して一からAIモデルを作成するのではなく、異常検知に必要な機能をオールインワンで装備しています。図5は、「AISI∀ AD」の主な機能をモジュール別に表したもので、オブジェクト検知、正常・異常判定、異常表示・監視、学習処理、クラウド連携などのモジュールから構成されています。
図5:「AISI∀ AD」の主なモジュール
◆幅広い分野への応用

画像を使った異常検知システムは、工場で生産される製品だけでなくさまざまな分野に応用ができます。例えば、内視鏡やエコーなどの動画を使って病気を発見する医療分野、農作物の生育状況や規格外農作物を自動仕分けする農業分野、ドローン映像をもとに橋やトンネルなどのひび、破損を検知するインフラ保全など、「AISI∀ AD」の仕組みでカバーできる分野は幅広くあります。

当社では、今後、より多くの分野に適用を広げていく予定です。


◆「AISI∀ AD」の価格と販売計画

「AISI∀ AD」の価格は、1セット500万円~。販売計画は販売開始から1年で1億円、3年で8億円を見込んでおります。

◆「AISI∀ AD」がベースとしている技術の解説

当社のブログ「ディープラーニングを使った異常検知」をご参照ください。
https://products.sint.co.jp/aisia/blog

【システムインテグレータについて】
会社名:株式会社システムインテグレータ
証券コード:3826 (東証一部)
所在地:埼玉県さいたま市中央区新都心11-2 ランドアクシスタワー32階
設立:1995年3月
代表者:代表取締役社長 梅田 弘之
資本金:3億6,771万円
URL:http://www.sint.co.jp/
事業内容:
・パッケージ・ソフトウェアおよびクラウドサービス(SaaS)の企画開発・販売、コンサルティング(ECソフ、ERP、開発支援ツール、プロジェクト管理ツール、プログラミングスキル判定サービスなど)
・AIを使った製品・サービスの企画開発および販売、AI関連のソリューションの提供・支援およびコンサルティング

※記載されている商品名は、各社の商標または登録商標です。
※本広報資料の転送/引用は、ご自由にご利用下さい。

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