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(2018/12/21)
カテゴリ:商品サービス
リリース発行企業:ボッシュ
CO2排出量を大幅に削減することが可能
ボッシュは、道路交通における「Well-to-wheel(油田から走行まで)」のCO2排出量削減のため、再生可能なディーゼル燃料の導入を検証するテストを行っています。ボッシュは完全再生可能ディーゼル燃料を用いた今回のテストにおいて、再生可能燃料を大規模に導入できるのか、そしてどうすればそれが可能になるかを示すつもりです。
ボッシュCEOデナー:「再生可能な合成燃料は地球温暖化の抑制に貢献します」
取締役会メンバーの送迎車両は完全に再生可能なディーゼル燃料で走行
フォイヤバッハ、シュヴィーバーディンゲン、およびヒルデスハイムの拠点で社有車に給油される燃料には33%再生可能ディーゼル燃料を混合
ドイツ国内のすべての自社ガソリンスタンドで再生可能合成燃料を提供予定
シュトゥットガルト(ドイツ) – 11月初旬より、ロバート・ボッシュGmbHの取締役会メンバーの送迎車両には完全再生可能ディーゼル燃料が使用されています。「C.A.R.E.ディーゼル」として知られるこの燃料は、主に副産物と廃棄物から合成されています。そのサプライヤーであるToolfuel社によると、C.A.R.E.ディーゼルは「油田から車輪まで(Well to Wheel)」のCO2排出量をおよそ3分の2、65%削減させることができると主張しています。「再生可能合成燃料は地球温暖化の抑制に大きく貢献できます。再生可能合成燃料は既存のガソリンスタンドで供給することができるので、車両とインフラを置き換えるよりもはるかに早く環境に好影響をもたらします」とロバート・ボッシュGmbHのCEOフォルクマル・デナーは述べます。デナーにとってその影響は明確です。「再生可能合成燃料は乗用車とトラックのCO2フリート規制に組み込まれるべきです」。C.A.R.E.ディーゼルはドイツの大気汚染防止法にまだ含まれていないので、現在一般のガソリンスタンドで入手することはできません。ボッシュは完全再生可能ディーゼル燃料を用いた今回のテストにおいて、この燃料を大規模に導入できるのか、そしてどうすればそれが可能なのかを示すつもりです。
混合再生可能ディーゼル燃料を自社ガソリンスタンドで提供
ボッシュは再生可能合成燃料の使用を奨励しています。フォイヤバッハ、シュヴィーバーディンゲン、およびヒルデスハイムにあるボッシュ拠点内のガソリンスタンドでは、すでに数週間にわたり、Shell社が製造する認定済み燃料である「R33ブルーディーゼル」がテスト車両と社用車に提供されています。この燃料には最大33%の再生可能物質が含まれています。そのため、これら3拠点のガソリンスタンドで定期的に給油する1,000台以上の社用車のCO2排出量を、「油田から車輪まで(Well to Wheel)」で最大20%削減することが可能です。それに加えて、ボッシュはドイツ全土のすべての自社ガソリンスタンドにおいて、社用車および社内配送車両向けに再生可能合成燃料を提供することを目指しています。またボッシュは、バッテリー駆動電気自動車を徐々に保有車両に取り入れています。
ディーゼル車の減少により欧州の道路交通からのCO2排出量が増加
全世界のCO2排出量の18%を占める道路交通も温室効果の要因となっています。これについて、進展も見られました。ドイツ国内で新車登録された車両のCO2排出量は2007年と比べて4分の1に減少しました。しかし、欧州の道路交通によって排出されるCO2の量が再び増加しています。その理由のひとつが新車登録されるディーゼル車の割合が減少していることです。ディーゼル車はCO2排出量に関してガソリンモデルよりも大きな利点があります。ディーゼルモデルのCO2排出量は、同等のガソリンモデルと比べて平均で約15%低くなります。「温室効果ガスの排出量をさらに減らすには、eモビリティに加えて、ディーゼルおよび再生可能合成燃料といったその他のソリューションが必要です」とデナーは述べます。再生可能合成燃料が欧州の乗用車で広く使用されれば、それだけで2050年までに2.8ギガトンのCO2を減らすことができるでしょう。しかもこの計算式には電動化された車両は考慮されていません。この数値は2016年にドイツ国内で排出された二酸化炭素の量の3倍です。ボッシュはこれまでかなりの間、再生可能合成燃料を研究してきました。フューエルポンプやインジェクターなど、ディーゼルエンジンに燃料を供給するボッシュのコンポーネントは厳格にテストされています。そのため自動車メーカーは、そうしたコンポーネントを再生可能合成燃料で使用するために再検討を行う必要はありません。
輸送をできる限り資源に配慮したものに
ボッシュは先入観を持たずに将来のパワートレイン テクノロジーに取り組み、実質的に排出ガスのない走行というビジョンに全力を注いでいます。内燃機関の改善を続ける一方、eモビリティ市場で主導的役割を果たすことも目指しています。ボッシュは長年の研究開発を経て、2018年4月に新しいディーゼル技術を発表しました。この技術はディーゼル車のNOx排出量を2020年に導入予定の規制値(1km走行あたり120mg)よりも大幅に低い値まで削減し、しかもいかなる実際の交通状況下においてもそれを可能にします。こうした結果は大幅に変更したエンジンおよび、エミッション低減のために最適化したテスト車両により達成されました。テスト車両には、つい最近市場に導入された最先端の技術とコンポーネントも搭載されました。先進的な燃料噴射技術と新開発のエアマネジメント システム、そしてインテリジェントなサーマルマネジメントを組み合わせることで、このような低い値を可能にしました。ボッシュのお客様はこのシステムのノウハウを利用し、将来の量産車の開発に取り入れることができます。
再生可能C.A.R.E.ディーゼルに関するQ&A
C.A.R.E.ディーゼルとは何ですか?
C.A.R.E.ディーゼルは、主に副産物と廃棄物、リサイクルされた食用油、グリースなどから作られる完全再生可能燃料です。従来のディーゼル燃料、すなわち化石燃料を含みません。フィンランドの石油会社でありバイオ燃料メーカーでもあるNeste社がC.A.R.E.ディーゼルを製造し、同社のパートナーであるToolfuel社がドイツ国内で流通させています。Toolfuel社の登録商標であるC.A.R.E.は、「CO2 Reduction, Arctic Grade, Renewable, Emission Reduction」(CO2削減、厳寒等級、再生可能、排出ガス削減)の略称です。
ボッシュはC.A.R.E.ディーゼルの使用から何が得られると期待していますか?
ボッシュは内燃機関を最適化するためにあらゆる努力を重ねており、ディーゼルパワートレインが道路交通におけるCO2排出量の削減に役立つと信じています。車両がC.A.R.E.ディーゼルなどの再生可能パラフィン系燃料で走行すれば、CO2排出量の削減幅はさらに大きくなり、そのことが環境保護と資源保全に役立ちます。
CO2排出量が65%しか削減されないのはなぜですか?
ここでのCO2の利点は、廃棄物を燃料に転換する際に生じるCO2排出量のみが考慮されることです。廃棄物自体はすでに存在しているため、CO2ニュートラルとみなされます。
車両をC.A.R.E.ディーゼルで走らせるにはどのような技術的改良が必要ですか?
C.A.R.E.ディーゼルはパラフィン系燃料なので従来のディーゼル燃料よりも密度がわずかに低く、着火性に優れます。それゆえ、規制当局はパラフィン系ディーゼル燃料に関する追加基準EN 15940を策定しました。EN 590基準は、従来のディーゼル燃料に適用されます。各メーカーは、EN 15940に準拠した特性の燃料をそれぞれの車両に使用できることを個別に承認する必要があります。これは、コンポーネントの互換性、燃焼最大圧力の潜在的な増加などを最初に調べる必要があるため重要です。
C.A.R.E.ディーゼルが普通のガソリンスタンドで提供されるのはいつからですか?
すでにさまざまなテスト車両がC.A.R.E.ディーゼルで走行しています。現時点では、欧州全域のガソリンスタンドに供給できるだけの量のC.A.R.E.ディーゼルを用意することができません。また多くの国では一般のガソリンスタンドで販売される燃料を法律で規制しています。ドイツを含めこうした国では、EN 15940基準がまだ承認されていません。大気汚染防止に関するドイツ法 第10版にEN 15940を取り入れるかどうかはまだ決定されていません。
ガソリンスタンドで1リットルあたりのC.A.R.E.ディーゼルの価格はいくらになりますか?まだ承認されていないので、現在C.A.R.E.ディーゼルはガソリンスタンドで販売されていません。1リットルあたりのC.A.R.E.ディーゼルの価格は従来のディーゼル燃料よりも少し高くなります。この価格上昇は製造コストによるものです。
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