- トップ
- 医療・健康・食品ニュース
- 記事詳細
[ 医療・健康・食品 ]
(2016/4/9 05:00)
日本製薬工業協会(製薬協)は、アジアで医薬品の申請や承認の円滑化につながる取り組みを強化する。新薬の申請を行う企業側と、審査を担当する規制当局の双方を対象とした研修を、11月に台湾で試験的に始める。申請や承認の手続きに必要な資料やコミュニケーションの質を向上し、手戻りを防ぐことで新薬の速やかな発売につなげる狙い。
11月に始める研修は日本の審査機関である医薬品医療機器総合機構(PMDA)や、PMDAと類似の機能を持つ台湾の衛生福利部食品薬物管理署(TFDA)と共同で行う。申請企業向けの研修は主に製薬協が、規制当局向けは当局の審査経験者が中心に担当する。受講者数は約50人の見通し。
2017―19年にアジア各国で研修を展開し、18―20年に効果測定を行う。効果測定では、実際の審査期間短縮に研修がどれだけ寄与したかを検証する。新薬の申請・承認プロセスは国や地域により異なるため、海外進出を狙う製薬企業は申請作業に手間取って新薬発売が遅れる懸念があった。
製薬協は7―8日に都内で行われた第5回アジア製薬団体連携会議に参加し、申請書類の標準化や当局の理解促進といった薬事規制の国際協調を進めることを各国の製薬団体と確認した。8日に会見した多田正世会長(大日本住友製薬社長)は「アジアの人々に革新的な新薬を速やかに届けることが使命だ」と述べた。
(2016/4/9 05:00)