[ オピニオン ]
(2016/6/8 05:00)
東京勤務も20年近いが、最近、特に感じるのが電車の混み具合。朝早く家を出ても非常に混雑しているし、夕方の帰宅ラッシュもひどくなる一方のように思う。
首都圏や関西の私鉄の2015年度の乗客数は、バブル期並みまで増えたそうだ。外国人観光客も一因だが、何より都心の再開発で高層ビルが相次いで生まれ、通勤・通学者が増えているのが理由という。沿線でも工場や倉庫の跡地にマンションが続々と建っている。
全国的に景気は今ひとつで、地方の過疎化は進む一方。東京への一極集中が進むのは経済合理性に則した事象ではある。ただ不安のタネは尽きない。例えば大地震が起きたらどうなるか。
技術の進歩で建物やライフラインの耐震性は格段に向上し、災害訓練や非常時の備えも昔日より整っている。それでも想定外は起こりうる。冬季には数センチメートルの積雪で鉄道網が止まるのが現実だ。
連日、報じられる都知事の不適切支出問題。公用車での別荘往復や出張時のファーストクラス利用は警備を考えれば理解できなくもないが、外食や書籍購入など少額で不透明な使途には食傷気味だ。都政がすべきことはもっとあるだろう。通勤ラッシュで疲れた体は、ついイライラしてしまう。
(2016/6/8 05:00)