[ オピニオン ]
(2016/7/7 05:00)
高い知能を持った異星人が地球を侵略するという米国のSF映画『インデペンデンス・デイ』。1996年のヒットから20年ぶりとなる続編が週末に日本で公開される。
前作で人類は、敵の母船にコンピューター・ウイルスを送り込んで無力化するという荒技で反撃の糸口をつかみ、かろうじて勝利を収めた。一度撃退した異星人が再び襲来するのは予想の範囲内だろうが、今回はどんな方法で立ち向かうのか。
現実の地球は、20年前より混沌(こんとん)としているかもしれない。バングラデシュの首都ダッカでは、インフラ整備に携わっていた国際協力機構の関係者が、大使館近くで予想もしていなかったテロにあった。
英国の欧州連合離脱の決断は、国民が経済成長より移民との争いを避けた結果だろう。しかしその激震は世界を揺るがし、英国自身の将来も見通せなくなった。国家間の垣根が取り払われつつある今、遠い異国の混沌は常に我が国の危機でもある。
もし異星人の襲来のような事態が起きれば、人類は争いを脇に置いて、映画が描いたように外敵と戦うに違いない。そう思えるだけに、現世の地球の混沌がもどかしい。今夜は七夕。平和の祈りを記した短冊で、星に願いをささげてみよう。
(2016/7/7 05:00)