[ オピニオン ]
(2016/7/22 05:00)
先日、小欄でネット検索のキーワードに連動したリスティング広告の技術に触れたところ、いくつか感想を頂いた。「広告が多すぎて迷惑なのは同感だ」「カメラまで使って監視されるようになってはたまらない」というものが多かった。
興味深いのは、ユーザー側の対策が進んでいるという話だ。最近のブラウザー(閲覧ソフト)には、第三者が開発した小規模なソフトウエアを組み込むアドオン(付加)機能が備わっている。このアドオンの中に、リスティング広告などの表示を拒否できるものがある。
実際にインストールして使ってみた。すべての広告が消えるわけではないが、確かににぎやかだった画面がシンプルになる。特定の広告だけを例外に設定して表示することも可能だ。
これが果たして良いことなのかどうか。メディアにとって広告は有用な情報のひとつであり、貴重な収入源でもある。広告拒否が一般化したら、経営基盤の弱いネットメディアの多くは立ちゆかない。
悩ましく感じていたら、最近は逆に広告を拒否したブラウザーでは読めないブログなども登場しているとか。技術はまさに“秒進分歩”。ユーザーの利便性や新たな可能性を論じるのは難しいと、あらためて思う。
(2016/7/22 05:00)