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[ 自動車・輸送機 ]
(2016/8/12 05:00)
曙ブレーキ工業は磁気に反応して液体から半固体に変化する機能性材料「MR流体」を用いたブレーキの試作品(写真)を、東北大学流体科学研究所の中野政身教授と共同で開発した。摩擦力でものの動きを止める従来のブレーキと異なり、こすれによるカスやノイズが起きず、環境に優しい。電気自動車や自動運転車への適用を目的に、2020年の実用化を目指す。
新ブレーキは、車両に固定された円盤と、回転する円盤が交互に配置されている間にMR流体が充填(じゅうてん)されている。ブレーキ内のコイルに電流を流すと磁界が発生し、流体内の粒子が鎖のような形に連なる。回転円盤と固定円盤の中で鎖が壊れてはつながる現象を繰り返すことで、抵抗力が発生してブレーキ機能が働く。
従来のブレーキは摩擦による熱で止めている。パッドと回転円盤がこすれるため、摩擦粉やノイズが発生し、環境に負荷がかかっていた。
このブレーキは約2年前から、超小型モビリティーを対象に研究開発を進め、15年3月に試作品を完成させた。現在は実用化に向け改良を重ねている。
(2016/8/12 05:00)