[ ロボット ]
(2016/9/30 05:00)
インターネットなどを通じて、不特定多数の群衆(=crowd[クラウド])から資金を調達(=funding[ファンディング])するクラウドファンディング。通常の資金調達方法に比べ、「個人が簡単に」「世界中のより多くの人から」「短期間で」資金を集められるとして浸透してきた。スタートアップにとって使いやすい国内の主なクラウドファンディングを見てみよう。
開発・モノづくりにおいて資金調達は大きなハードルだ。書類を揃えて投資家にお願いに行ったり、公的な補助金を申請したり、資金の調達にはさまざまな方法があるが、最近よく目にするのが「クラウドファンディング(群衆からの投資)」だ。インターネットを利用して不特定多数からの投資を募るクラウドファンディングは、取り組むハードルも低く、スタートアップの資金調達には適しているように思える。KickStarter( キックスターター)やIndiegogo(インディーゴーゴー)といった海外のプラットフォーム(ウェブサイト) からは、「××社、クラウドファンディングで100万ドル調達!」といった、威勢のいいニュースもよく聞こえてくる。
しかし、クラウドファンディングには投資型・寄付型・購入型という種別があり、日本の法律では応募者に金銭で応える投資型は認められていないため、海外ほどの高額の資金を調達することは困難だ。また、寄付型はボランティア事業や、NPO などが利用するスタイルのため、スタートアップの使用するクラウドファンディングは一定額以上の資金を調達できた場合に、製品を開発・製造し、投資者に製品を届けるという購入型がメインになる。
CAMPFIRE(キャンプファイヤー)、READYFOR?(レディーフォー)、COUNTDOWN(カウントダウン)、Makuake(マクアケ)、Kibidango(きびだんご)など、日本にも多数のクラウドファンディングプラットフォームが存在するが、購入型の性質上、あまり高額な製品での資金調達は難しい。たとえば1 体が19 万8000 円のロボットを開発するというスタートアップがあったとして、利用目的が自分にマッチしていると考えたとしても、なかなか応募に踏み切れる人は多くはないだろう。
クラウドファンディングにマッチするのは?
クラウドファンディングで目標額を達成しやすいのは、ビデオソフトやTVゲームなどだ。これらは応募金額に応じ、グッズやセル画など製品以外に何段階にも分かれた特典を提供することで、応募を引き出しやすくしている。単価が低めで、損益分岐点もそんなに高くない製品が調達を達成しやすい。
そう考えると、自分たちが開発しようとしている製品はクラウドファンディング向きではないと考えるスタートアップもいるだろう。しかし、クラウドファンディングを募るということは、多くの人に自分たちと自分たちが開発しようとしている製品の存在を知らせることにもなる。ある程度の調達に成功すれば、投資家の目にもとまりやすくなり、新たな出資を引き出すチャンスになるかもしれないし、自分たちへの注目度を高めるためのマーケティング的なクラウドファンディング利用も考えられるかもしれない。まずは、各プラットフォームのWeb サイトをじっくり眺めるところから始めてみてはどうだろうか?
CAMPFIRE
https://camp-fire.jp/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:支援総額の5%
アーティスト、映画監督、ミュージシャンなど著名人も多い。手数料は国内最安の5%で運営。2016年5月より、地域特化型の新サービス「CAMPFIRE×LOCAL」も開始。
READYFOR?
https://readyfor.jp/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:支援総額の17%
国内最大級。これまで4200 件以上のプロジェクトで23億円以上の支援金を集めている。「◯◯患者のために」「◯◯国に学校を」など社会性が強いプロジェクトが多い。
kibidango
http://kibi-dango.jp/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■ プロジェクト成功時の手数料:10 ~ 14%(決済方法により異なる)
プロジェクトオーナーに「アイデアを実現できるプロに限る」という条件を与え、高い成功率を誇る。EC機能を持つ点も特徴。
FAAVO
https://faavo.jp/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■ プロジェクト成功時の手数料:達成金額の10 ~20%(展開エリアによって異なる)
地域活性化に特化したサービス。“地域を盛り上げるプロジェクト”であることが必要。
ShootingStar
http://shootingstar.jp/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:20%
新しいアプリの開発、社会起業など、新規事業に関するプロジェクトが多い。メディアへの露出にも積極的。
Makuake
https://www.makuake.com/
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:20%
サイバーエージェントグループが運営。「アメーバ」と連携した告知力が特徴。メディアや製造パートナーとの交流会も実施している。
Motion Gallery
https://motion-gallery.net
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:10%
アートやデザイン、音楽などクリエイターの支援に強い。米国のクラウドファンディングサイト「Indiegogo(インディーゴーゴー)」とも提携。
COUNTDOWN
https://www.countdown-x.com
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:20%
英語でのプロジェクト応募も可能。プロジェクトをサポートする国内外のメンター制度もある。企業のパートナーによるアドバイスも行っている。
GREEN FUNDING
https://greenfunding.jp
■審査料金:無料
■掲載料金:無料
■プロジェクト成功時の手数料:20%
日本で初めて、クラウドファンディングをASPサービスとして提供。CCC(TSUTAYA)グループが運営している。
(次回は10月に掲載します)
(2016/9/30 05:00)