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[ エレクトロニクス ]
(2016/10/10 05:00)
台湾・台北市の南港展示ホールで6-9日まで開催された電子部品関連の展示会「2016台北国際エレクトロニクス見本市(タイトロニクス)」で、地元・台湾企業を中心に家電や電子部品、試験装置などの新製品が発表された。中には日本への進出や、製品販売を狙う台湾企業も多い。主だった企業の動向を紹介する。
サンポ、空気清浄機と調理家電で日本進出検討
大手家電メーカーの声宝(サンポ、桃園市)は、今年立ち上げた高級ブランドの「ARKDAN」で日本市場進出の検討を始めた。2017年にも日本における家庭用空気清浄機、調理用家電の生産、販売を目指すという。
サンポは1936年に創立。東元電機(TECO)、大同、台湾三洋、禾連(ヘラン)と並ぶ台湾大手5大家電メーカーの1社。資本金150億台湾ドル(約450億円)。日系企業ではシャープからは技術指導を受けるだけでなく、一時は出資を受け入れていたほか、90年にはシャープと合弁で家電販売会社の「シャープ台湾」を設立し、16年7月まで提携関係にあった。
サンポによれば、「ARKDAN」ブランド製品の日本生産と販売について、まずはシャープとの提携時代に構築してきたネットワークを活用する方針で数社と交渉中だという。台湾ではこれまでのサンポブランドとは差別化するため、日本のデザイン事務所で設計した「ARKDAN」ブランドの空気清浄機2機種の販売を開始している。
クロマ、8Kテレビ用の試験機器
精密測定機器・自動テストシステムメーカーである致茂電子(クロマ、桃園市)は、8Kテレビ開発用のビデオパターンジェネレーター「モデル2238」とフラットパネルディスプレー(FPD)用テスター「モデル2918」を公開した。価格は未定。12月末の発売を予定している。
8Kは現在のハイビジョンの16倍に当たる3300万画素(7680×4320画素)の超高精細映像。NHK放送技術研究所が中心となり、2020年開催の東京五輪・パラリンピックに向けて、開発が進んでいる。
「モデル2238」はアナログテレビ、SDI、HDMI、ディスプレーポートの四つそれぞれに異なるタイミングで、カラーバーやグレースケール、ドットなどのパターンを送出することができる「マルチアウト」機能などを搭載。「同2918」はLVDS/V-by-Oneなど、FPD業界で主要となっているテストパターンに対応。どちらも画素数が8Kの7680×4320、8192×4320に対応する。
タイオームは高電圧チップ抵抗器
発光ダイオード(LED)照明装置などで利用できる表面実装タイプのメタルグレーズ高電圧チップ抵抗器を出したのが、幸亜電子(タイオーム、桃園市)。新製品の「SMGシリーズ」は3タイプあり、最大動作電圧1150ボルトで大きさが4・0×7・9ミリメートル、同2500ボルトで5・5×12ミリメートル、同3500ボルトで7・3×17ミリメートルの製品をラインアップ。これまで1000ボルト以上の高電圧に対応させるためには、最大動作電圧200ボルト程度の抵抗器を並列接続して使用しなければならなかった。チップ1個で最大3500ボルトに対応することができるため、実装基板の省スペース化に役立つ。価格は未定。タイオームは1958年設立。70年代には日本抵抗器製作所と技術提携していた。日本では大和無線電機(東京都文京区)が代理店となっている。
(2016/10/10 05:00)