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[ エレクトロニクス ]
(2016/12/2 15:00)
シャープは2017年度に発光ダイオード(LED) などの電子部品を生産する三原工場(広島県三原市)を閉鎖し、カメラデバイスなどを生産する福山工場(同福山市)に集約することを決めた。2日、戴正呉(たい・せいご)社長が方針を明らかにした。携帯電話を生産する東広島工場(同東広島市)は本部敷地と分かれて立地する「第3工場」を閉鎖して本部に集約する。
三原工場は従業員約300人。稼働率低下が課題となっているため、福山工場に設備を移設、集約して効率化を図る。工場跡地の活用方法は今後検討する。すでに地元自治体に意向を伝えた。戴社長は11月1日に開いた会見で、国内工場の再編を検討していることを明らかにしていた。
シャープは8月に台湾・鴻海精密工業の傘下に入り、鴻海への生産委託や間接部門の分社化、子会社の統廃合などの合理化を進めている。一方、主力の中小型液晶パネル生産拠点は、三重工場(三重県多気町)などで有機エレクトロ・ルミネッセンス(EL)パネル生産ラインなどに投資を続けている。17年度は主力の亀山工場(同亀山市)で50-100人程度の新卒採用を行って人員補強することも検討中だ。
また、シャープと鴻海グループは、それぞれ株式の37.61%を保有する大型液晶生産子会社「堺ディスプレイプロダクト(SDP、堺市堺区)」を増資する検討を始めた。SDPは大型液晶パネルの販売価格が下落して採算が取れず赤字の状態で、資金不足に陥っている。そのため、シャープも16年4-9月期にSDPの持ち分に応じて約195億円の営業外損失を計上し、経営の重荷となっている。
SDPは増資で財務を強化して、生産効率化や販売価格の見直しに取り組むほか、シャープ向けパネルの販売を増やして、17年12月期に黒字転換したい考え。今後、増資の規模や出資比率について、鴻海グループやほかの株主である大日本印刷、凸版印刷と検討を進める。
(2016/12/2 15:00)