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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/1/6 11:30)
(ブルームバーグ)トランプ次期米大統領は5日、メキシコ工場建設を計画するトヨタ自動車に怒りの矛先を向け、高関税をかけることも辞さない考えを示した。6日の取引で株価は下落した。
トランプ氏はツイッターへの投稿で「トヨタ自動車は米国向けのカローラを生産する工場をメキシコのバハに新設すると言っている。とんでもない!米国に工場を建設しろ、さもなければ高い関税を支払え」とコメントした。
トヨタは既に米ミシシッピ州の工場でカローラを組み立てており、2015年初め時点で50万台余りを生産した。同社はメキシコでカローラ工場を建設する計画だが、新工場の建設予定地はグアナフアト州アパセオエルグランデ。同社は米国との国境沿いにあるメキシコのバハカリフォルニア州ティファナに工場を持っており、ピックアップトラック「タコマ」を生産している。
GM、フォードに続き
トランプ氏の自動車業界批判は、人件費の低い国に長年にわたり生産拠点を移してきた米製造業を再生させる公約に沿った動き。同氏は今週、ゼネラル・モーターズ(GM)がメキシコで「クルーズ」の一部車種を生産していることをやり玉に挙げていた。フォード・モーターは同氏から数カ月にわたって批判されていた16億ドル(約1850億円)規模のメキシコ工場新設計画を撤回した。
ミシガン・マニュファクチャリング・テクノロジー・センターのアナリスト、ダン・ルリア氏は「トランプ氏のツイートは、自動車メーカーにメキシコでの生産増強を慎重に考えさせる上で役立っている」と指摘した。
トランプ氏のツイートの数時間前、トヨタの豊田章男社長は東京都内で開かれた賀詞交歓会でフォードのメキシコ工場計画撤回に関して質問を受けた際、自社のメキシコでの操業計画についてはトランプ氏の判断を考慮する意向を示し、米国での自動車生産増加は政治情勢と関係なくいつでも考えていると述べた。
「トランプ政権と協力」
トヨタによると、グアナフアト州に新工場を開設しても、米国での生産や雇用が減ることはないという。同社広報担当のスコット・バジン氏は電子メールで、「トヨタは消費者と自動車業界の最善の利益のためトランプ次期政権と協力することを待ち望んでいる」との立場を表明した。
トヨタの株価は6日の取引で続落。一時、昨年11月9日以来の日中下落率となる前日比3.1%安となった。他にメキシコに生産拠点を持つ日産自動車は同2.8%安、ホンダが同3.3%安、マツダが同4.2%まで下げた。メキシコに生産拠点を持たない富士重工業は一時、同1.9%安、スズキは同1.6%安となった。
SBI証券の遠藤功治アナリストは、1ドル=115円台への円高とトランプ氏のツィッターが重なり、トヨタの「株価には当然ネガティブ」と電話取材で述べた。
原題: Trump Assails Toyota Over Corolla Factory Planned for Mexico (2)(抜粋)
(2017/1/6 11:30)