- トップ
- エレクトロニクスニュース
- 記事詳細
[ エレクトロニクス ]
(2017/1/23 05:00)
東芝の経営再建が重要な局面を迎えている。7000億円規模とされる米原子力発電事業の損失で弱体化した財務体質再生のため、日本政策投資銀行を含めた金融支援の要請、半導体部門の分社化や上場子会社の株式売却などが俎上(そじょう)にのぼっている。一部報道ではグループの“解体”との言葉も飛び交う状況だ。東芝は具体的な損失額の公表も含めた発表を今週中に行う見通しだが、傷ついた市場からの信頼を回復するのは容易ではない。
債務超過の可能性も指摘される同社だが、不適切会計などの問題で特設注意市場銘柄に指定され、市場からの資金調達は望めない。毀損(きそん)した財務体質の強化には、株式市場以外のニューマネー調達が不可欠だ。
業績好調な虎の子の半導体事業の分社化では、出資候補としてキヤノン、東京エレクトロン、米系ファンドなどが名乗りを上げている模様。東芝は将来的な株式上場をインセンティブに出資を募る構えと見られる。
東芝テック、東芝プラントシステム、西芝電機、ニューフレアテクノロジー、国際チャートなど上場子会社の株式をはじめとした各種資産の売却も取り沙汰される。東芝はポートフォリオ見直しを進める中で持ち株会社制移行の検討を本格化している。ただ、一連の施策は結果的にグループの求心力を弱める可能性もありそうだ。
東芝が描く再建シナリオの実現には、早期の損失額確定はもとより、正確なグループの財務状況の把握・開示が必要になる。出資候補の企業やファンドにしても、出資後に新たな負債発覚という事態を承服できないのは当然。不適切会計、突然の巨額損失発覚と、市場は東芝に対し疑心暗鬼に陥っている。残された時間は多くない。
(2017/1/23 05:00)
関連リンク
総合3のニュース一覧
- 化粧品の開発・製造・販促、共同印刷が一貫支援(17/01/23)
- MRJ、5度目の延期−納入20年半ば、中小に影響広がる(17/01/23)
- 文科次官に戸谷氏−天下りあっせん問題、抜本改革急務(17/01/23)
- 社説/文科省元幹部の再就職−大学は自らのナイーブさを捨てよ(17/01/23)
- ズームアップ/「東芝再建」は時間との戦い−米国原発損失、7000億円規模も(17/01/23)
- 東芝、持ち株会社設立を検討(17/01/23)
- 中部電、請求書1万4800件を未送付(17/01/23)
- 賀詞交歓会/「前向きに」−チェーンストア協(17/01/23)
- 昨年の百貨店売上高、36年ぶり6兆円割れ(17/01/23)
- 昨年のコンビニ売上高、2年連続で10兆円超(17/01/23)
- 日立・子会社の事業、YACに売却(17/01/23)
- 北陸ガス、社長に敦井一友(つるい・かずとも)氏(17/01/23)
- ユーザベース、社長に稲垣裕介(いながき・ゆうすけ)氏(17/01/23)