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2016年(第59回)十大新製品賞(上)モノづくり産業の発展へ

(2017/1/25 05:00)

日刊工業新聞社が選定する「2016年(第59回)十大新製品賞」の受賞製品が決まった(表)。同賞は応募企業がその年に開発、実用化した新製品の中から、モノづくり産業の発展や日本の国際競争力強化に役立つ製品を十‐十数点選んで表彰する制度。今年は「十大新製品賞本賞」にアイダエンジニアリングの「大型サーボプログレッシブプレス」などを選定した。特に優れた製品に贈られる「増田賞」は該当なしだった。贈賞式は26日11時から東京・飯田橋のホテルグランドパレスで開かれ、受賞に輝いた各社に表彰状と盾、副賞(賞金)が贈られる。

 十大新製品賞は日刊工業新聞社が1958年に創設した表彰制度で、59回目を迎える。今回は64社67件の応募があった。

審査に当たっては(1)独創的な発明で国内外で反響が大きかった(2)抜きんでた独創性はなくてもさまざまな工夫や研究改良により、性能が世界最高水準に達する(3)至難とされていた技術課題を解決し、商品価値からみてわが国産業水準の向上に著しく貢献する(4)産業、社会の発展に役立つ先導的な役割を果たしたとみられる―などが選定基準となる。

本賞のほか、日本力(にっぽんぶらんど)賞は日本初の技術で世界市場をけん引する製品に、モノづくり賞は優れたモノづくり技術に基づく製品に、また中堅・中小企業が開発した優れた製品に中堅・中小企業賞が贈られる。

◇ ◇

本賞に輝いたアイダエンジニアリングの「大型サーボプログレッシブプレス」は、サーボモーター駆動のサーボ順送プレス機では世界最大の加圧能力2700トンを持つ。毎分ストローク数(SPM)は60。自社開発のサーボモーターは水冷式で高い冷却効果により出力を高めた。自動車の軽量化などのため採用が増える超高張力鋼板のプレス加工の生産性を飛躍的に向上する。

アマダホールディングスとアマダマシンツールの「ハイパーソー HPSAW―310」は、鋼材の高速切断に優れた次世代型帯のこ盤(バンドソー)。のこ刃(ブレード)の回転機構などを見直し、工具剛性を高めながら高速回転と工具寿命の改善を実現。また切りくず排出量は従来機比60%以上抑えられるなど、環境配慮型設計も評価された。

NECの「AI(人工知能)ソリューション」は、街づくりや社会インフラの安全監視、企業活動支援など幅広い領域の課題解決をはかる22種のソリューション。中核をなすのが最先端AI技術群「NEC the WISE」。見える化、分析、対処など高精度なアウトプットを実現する。大学などとオープンイノベーションを進め、多様な知見でAIの実用化に役立てる。

オークマの「超複合加工機 LASER EXシリーズ」は、アディティブ・マニュファクチャリング(AM、金属積層造形)のほか、業界初となるレーザーでの部分精密焼き入れなども搭載した工作機械。切削、研削、AM、焼き入れ、コーティングまでこなし、劇的な工程集約を実現する。航空機基幹部品など高精度部品の品質要求に応える。

クボタの「直進キープ機能付田植機」は、全地球測位システム(GPS)を活用した農業機械の第一弾。高い精度が求められる田植え作業向けで、直進時に自動操舵(そうだ)できる「直進キープ」機能を搭載。未熟練者でも簡単にまっすぐ田植えができる。就農人口の減少や農地集約による規模拡大などで高まる人手不足を解決すべく開発された。

ソディックの「アルミニウム合金対応射出成形機 ALM450」は、世界でも珍しいアルミ合金部品の射出成形を可能とした。溶湯と成形を一体化させ装置内に空気が入りにくい構造とし、強度劣化の原因である鋳巣の課題を解消。自動車部品やスマートフォンの筐体(きょうたい)など、薄物複雑形状の加工で射出成形の分野を開拓していくと期待されている。

ファナックの「ものづくり革新に貢献するファイバレーザ FANUC FIBER LASER series」は、自社製コンピューター数値制御(CNC)装置との協調制御により高い加工品質を確保できるファイバーレーザー発振器。定格出力2キロ―6キロワットの機種をラインアップ。自社製ロボットと緊密に連携できる点も特徴で、近年、普及が進むファイバーレーザーのロボットシステムの適用範囲を広げる。

富士通の「AI技術『Human Centric AI Zinrai』」は、AIの研究成果やノウハウを結集し、ブランド名「Zinrai」として体系化したプラットフォームサービス。五感を駆使し気持ちを理解する技術や、機械処理の知識を作りだす知能技術などで構成。生活や社会に寄りそったAIの活用を目指し、国内外で実証試験を実施している。

((下)は26日付4面に掲載)

(2017/1/25 05:00)

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