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[ エレクトロニクス ]
(2017/2/8 05:00)
東芝が3月末をめどに分社する、半導体メモリー事業の新会社への入札が本格化している。協業する米ウエスタンデジタル(WD)のほか、同マイクロン・テクノロジー、韓国SKハイニックスといったメモリーメーカーが名乗りを上げる中、異色と言えるのが台湾・鴻海精密工業。東芝との連携強化で、半導体市場への足がかりを得たい考えだ。東芝の技術力の高さやその魅力が改めて浮き彫りになった形だが「債務超過回避」という最大の課題を前に、残された時間は少ない。各社の思惑はどう結実するか。
7日、鴻海幹部が東芝のメモリー事業新会社への出資者を選ぶ入札に応じたことを明らかにした。傘下のシャープも関心を示していたが、資金面から出資は難しいと判断し、入札への参加は見送った。
鴻海は米アップルのスマートフォン「iPhone」の組み立てを請け負っている。シャープ買収はアップル向けの部品供給の拡大が狙いの一つだった。アップルにメモリーを供給する東芝の半導体事業に出資することで、サプライヤーの地位をさらに高める狙いがあるとみられる。
東芝がメモリー新会社へ外部資本を導入する目的は、本体の資本増強だ。それに対し出資に意欲をみせる各社の狙いは、東芝のメモリー事業との関係強化を図り、市場での地位を高めること。ただ20%未満の出資比率では経営に大きく関与できず、将来は出資比率の引き上げも焦点になってくる。また同業他社であれば、独占禁止法の審査も足かせとなる。
米調査会社ガートナーのリサーチ・バイスプレジデント、ジョー・アンスワース氏は「ビジネスや知的財産、必要に応じた追加投資で相乗効果を生み出し、また日本と(WDがある)米国の企業文化に適合するパートナーが理想だ」と見る。3月末までという差し迫った期限を抱え双方の思惑が渦巻く中、どこに落としどころを見つけるのか。その結論は再建に向けた重要な一歩となる。
(2017/2/8 05:00)
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