[ 政治・経済 ]
(2017/2/8 11:00)
(ブルームバーグ)米国土安全保障省のケリー長官は7日、トランプ政権の入国制限について、円滑な導入に向けて実施時期を遅らせるべきだったとの見解を示した。一方、共和党の重鎮はトランプ大統領がテロ阻止に役立つと主張する入国制限の実施方法を批判した。
ケリー長官は下院国土安全保障委員会の公聴会で、トランプ大統領が1月27日に署名した入国制限の大統領令について、テロリストらの不意を突くために「早く始めるという考えだった」と説明。「今から思うと、私は若干遅らせるべきだった」と語った。
同長官は過激派組織「イスラム国」(IS)の「何千人」もの戦士が米欧への入国を可能にする書類を用意しており、入国制限は必要だとして大統領令を擁護。また入国停止の対象とされたイスラム圏7カ国では、渡米を求める市民が国家安全保障上の脅威ではないと米当局を納得させるのに十分な手続きが実施されていないと指摘した。
ケリー長官はまた、イスラム教徒が多くを占める国は51カ国あるとして、同大統領令を「イスラム教徒の入国禁止」とする見方を否定した。
同委のマイケル・マッコール委員長(共和)は難民を含め米入国時の審査を厳しくする措置を講じたことは良しとする一方、大統領令の実施方法には問題が多いと指摘。「議会だけでなく、米国そして世界中で混乱を引き起こした。合法的なグリーンカード(永住権)や査証(ビザ)の所持者にも深刻な問題を与え、大統領令署名時に既に空路で移動中だった人もいた」と述べた。
原題: Kelly Tells Lawmakers He Regrets Not Waiting on Entry Ban (1)(抜粋)
(2017/2/8 11:00)