[ 政治・経済 ]
(2017/2/12 15:00)
【ソウル時事】韓国軍合同参謀本部などによると、北朝鮮は12日午前7時55分(日本時間同)ごろ、北西部の平安北道・亀城から弾道ミサイル1発を発射した。ミサイルは約500キロメートル飛行し、日本海に落下。日本の防衛省関係者は、射程約1300キロメートルの「ノドン」との見方を示し、高い高度に打ち上げて迎撃を難しくする「ロフテッド軌道」がとられた可能性もあると指摘した。
トランプ米大統領の招きで米フロリダ州を訪れていた安倍晋三首相は大統領と共に記者発表に臨み、「断じて容認できない。北朝鮮は国連決議を完全に順守すべきだ」と非難。大統領との間で「日米同盟を緊密化、強化していくことで完全に一致した」と語った。大統領は「同盟国である日本を100%支持する」と表明した。
トランプ政権の発足後、北朝鮮が弾道ミサイルを発射したのは初めて。日米首脳会談に合わせ、弾道ミサイルの能力を誇示し、日米をけん制する狙いがあるもようだ。
韓国メディアによると、ミサイルが発射されたのは亀城の方峴飛行場とみられる。韓国軍は中距離弾道ミサイル「ムスダン」(射程2500~4000キロメートル)の改良型の可能性もあるとみて分析している。
ロイター通信によると、米軍当局者も北朝鮮によるミサイル発射を確認した。ミサイルの種類など詳細は分析中という。
菅義偉官房長官は12日午前、臨時に記者会見を行い、「日米首脳会談直後だったことを考えてみても、わが国や地域への明らかな挑発行為だ」と強調。北朝鮮に厳重に抗議したことを明らかにした。船舶や航空機への被害は確認されていない。
安倍首相は関係省庁に対し、情報収集・分析に全力を挙げ、不測の事態に備えて万全の態勢を取るよう指示した。
韓国の黄教安大統領代行(首相)は「国際社会とともに、相応な対応を取るよう最善を尽くす」と強調した。
(2017/2/12 15:00)