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[ 科学技術・大学 ]
(2017/2/19 06:00)
タカをはじめとする捕食動物の目にヒントを得て、視野の中心部だけ解像度の高い鮮明な画像を捉える小型イメージセンサーが、独シュトゥットガルト大学の研究チームによって開発された。同時に、複雑な構造を持つセンサーのレンズについても、3Dプリンターで短時間に製作できることを実証した。近い将来、内視鏡や光学センサー、監視用ドローン、セキュリティーカメラ、ロボットビジョンなどへの応用が想定されるという。
人間や動物の目は、網膜にある中心窩(か)と言われる窪みの部分で、最高の視力を得られるようになっている。同様に、イメージセンサーでも、データ処理の負荷低減などの観点から視野全体にわたってクリアーで詳細なイメージを必要とせず、中心部だけ解像度の高いイメージが得られれば十分という用途も多い。
そこで研究チームでは、イメージセンサーを多数のレンズを持つ「マルチ・アパチャー・カメラ」の構成とし、焦点距離に加え、視野角が20度ー70度と異なる合計四つのレンズをワンセットにして内蔵。各レンズのイメージデータを統合処理することで、視野の中心部分を詳細に映し出す小型カメラを作り上げた。実際に、単眼レンズの従来のイメージセンサーに比べて、視野の中心部でより解像度の高い画像が得られることを確認した。
(2017/2/19 06:00)