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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/3/3 12:00)
(ブルームバーグ)スポーツタイプ多目的車(SUV)の誕生で、米国の多くの家庭からミニバンが姿を消した。そして今、セダンも同じような道をたどっているようだ。
調査会社オートデータによると、今年1-2月の米自動車販売全体のうち乗用車の占める割合はわずか37.5%だった。トヨタ「カムリ」やホンダ「アコード」などのセダンやクーペ、スポーツカーが販売台数の半分以上を占め、SUV・トラックの合計台数を上回っていたのは2012年と、それほど昔のことではない。
かつてないほどの乗用車の販売低迷は、各社が一層の生産縮小に踏み切る可能性があることを示唆している。コンサルティング会社のアリックスパートナーズのマネジングディレクター、マーク・ウェークフィールド氏は、乗用車の不人気とSUV・トラック人気は「マーケティング面の流行ではない。むしろ市場の進化だ」と指摘。乗用車が占めるシェアは今後「これまで以上に低下する可能性がある」と話した。
SUVをとりわけ強力に推進してきた自動車メーカーは、2月に販売台数の大きな伸びを記録。中でも日産自動車は前年同月比3.7%増となり、アナリストの意表を突いた。その伸びをけん引したSUV「ローグ」は、ホンダ「CR-V」を抜いてSUVの月間ベストセラーに躍り出た。
また4.2%増と好調だったゼネラル・モーターズ(GM)は、「シボレー」ブランドのSUV「エキノックス」「トラバース」が2月の販売台数で最高を記録、販売をけん引した。
一方でトヨタは7.2%減。「RAV4」などのSUVが好調だったものの、それ以上にセダン「カムリ」やハイブリッド車「プリウス」の需要の弱さが際立った。
乗用車の低迷は、業界全体で見られる在庫過剰の一因でもある。メーカー各社は、記録的な販売台数(業界全体で年換算1755万台)となった昨年と同様か、それを上回る需要があるとの見込みで生産を続けているが、中には売れ残った車の保管スペースを借りるなどの対応を余儀なくされた販売店もある。
ウェークフィールド氏は、ガソリン価格の安さがセダンからSUVへの需要のシフトを促していると指摘。SUVの「座席の高さが好まれるようだ。セダンでは、あちこちに走っているSUVから圧倒されている気分になる。安全でないという気にもなる」と話した。
原題: American SUV Boom Puts Sedans on Path of the Forgotten Minivan(抜粋)
(2017/3/3 12:00)