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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/3/22 11:00)
(ブルームバーグ)ドイツの自動車メーカーであるBMWは、英国を象徴する自動車ブランド「ミニ」の生産拠点を欧州大陸に変更する可能性があることを示唆した。英国の欧州連合(EU)離脱に伴う影響が経済面だけでなく文化面にも広がる兆しが浮上している。
BMWは21日の発表文で、英EU離脱に備えて「複数の異なるシナリオ」を準備しており、必要に応じて生産拠点を動かす余地があることを明らかにした。ミニ・ブランドの大半はイングランド・オックスフォードで製造されているものの、一部モデルは既にオランダで製造されていることから、他拠点で組み立て生産が可能だと指摘した。
ハラルド・クルーガー最高経営責任者(CEO)はミュンヘンでの年次記者会見で、「当社の生産ネットワークが柔軟性をもたらしている」と述べた上で、「英国は引き続き重要拠点だ。英国のEU離脱交渉が最終的にどのようにまとまるか次第の部分が大きい」とつけ加えた。BMWはミニのほか、もう1つの著名な英国車ブランド「ロールス・ロイス」を約20年にわたり保有している。
BMWの海外展開は、自由貿易が締め付けられれば影響を受けやすい。トランプ米大統領はメキシコ中央部に10億ドル(約1120億円)を投じて工場建設を計画するBMWを非難し、米国向け自動車には35%の輸入関税を課す考えを示している。
こうした状況にもかかわらず、BMWはメキシコのサンルイスポトシ工場で2019年に3シリーズの生産を開始する計画を進めていると、ニコラス・ペーター最高財務責任者(CFO)は説明し、工場建設は「計画通りだ」と付け加えた。
BMWはトランプ大統領の批判を鎮めようと、米国にも工場はあり、これは同社の海外工場で最大だと指摘。メキシコ新工場で生産される車両は米国向けだけではないと説明した。スポーツ型多目的車(SUV)Xシリーズを製造するサウスカロライナ州のスパータンバーグ工場の年産能力は現在41万台だが、同社はこれを45万台に引き上げることを計画している。
(2017/3/22 11:00)