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[ エレクトロニクス ]
(2017/3/31 13:30)
(ブルームバーグ)米電力会社サザンは米ウェスチングハウス(WH)が連邦破産法11条を申請したのを受け、同社に発注した原発建設について見直しを開始する。こうした中、トランプ政権には83億ドル(約9300億円)規模の懸念材料がある。
サザンはオバマ前政権による30年ぶりの米原発新設イニシアチブの下で連邦政府から83億ドルのローン保証を確保して原発資金を工面しているからだ。ここにきて建設の遅れやコスト超過、東芝傘下WHの経営難で同プロジェクトの運命だけでなく納税者の利益もリスクにさらされている。
米エネルギー省のガイスラー報道官は、政府は「出資者の一角に融資保証を行っている。その点や他の重要な理由から、破産手続きと、それに伴う納税者や国への影響について強い関心を持っている」と説明。「当事者らが約束を守り、納税者保護で合意に達すると期待する」と付け加えた。
WHによる29日の破産申請から数時間後、同社に原発建設を発注していたサザンや同業のスキャナの最高経営責任者(CEO)らは、作業を続けながら状況を評価していくと表明。サザンのトーマス・ファニングCEOはジョージア州のボーグル原発で原子炉2基を建設するプロジェクトを完了させる方策のとりまとめで東芝の綱川智社長と「経営者同士」の話し合いを行うため来日した。ファニングCEOはブルームバーグテレビジョンとのインタビューで、東芝とWHはボーグル・プロジェクト完了への「道義的なコミットメント」があると述べた。
ファニングCEOはまた、同プロジェクトについて ペリー・エネルギー長官、ロス商務長官とも協議したことも明らかにした。ガイスラー報道官はプロジェクト完了に向けた計画で各当事者が合意することをトランプ政権は期待すると述べた。
スキャナのスティーブン・バーン最高執行責任者(COO)は29日の電話会議で「連邦政府がWHの売却の可能性やその場合の影響を非常に懸念しているのは明らかだ」と語った。
原題: Trump Closely Watching Troubled Nuclear Plants That Obama Funded(抜粋)
(2017/3/31 13:30)