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[ 科学技術・大学 ]
(2017/4/14 19:00)
海洋研究開発機構は14日、最大で水深6500メートルまで潜ることのできる有人潜水調査船「しんかい6500」の潜航の様子を報道陣に公開した。駿河湾内において、支援母船「よこすか」から水中に潜ったしんかい6500は水深約1300メートルに到達。海底を進む途中でナマコやカニなどの生物を撮影した後、海面に浮上し、よこすかに回収された。
しんかい6500は全長9・7メートル、重量26・7トン。コックピットは3人乗りで、メンバーは船長と船長補佐、研究者などのオブザーバーで構成される。
しんかい6500には「バラスト」と呼ばれる重りを載せており、その重さを利用し分速42メートルで垂直に沈む。海底付近でバラスト総量の半分を切り離し、機体の重量と浮力を釣り合わせた後、バッテリー駆動のスラスター(推進装置)により海底に沿って進みながら探索活動を行う。海面に戻る際には残りのバラストを切り離し、しんかいの浮力により上昇させる仕組みだ。
今回の潜航では、オブザーバーとして科学新聞社の黒羽美貴記者がしんかい6500に乗船。同記者は「海底では魚がゆっくりと動き、海面近くの激しく動く魚のイメージとは違っていた」と約4時間半にわたる潜航の様子を報告したうえで、「研究者が実際に深海を見れば、新しい研究の発想が生まれるのではないか。自分も、帰りの時間が近づいた際、『もっと見ていたい』という気持ちが強くなり、機会があれば、もう一度乗船したい」と感想を述べた。
(2017/4/14 19:00)