[ ロボット ]
(2017/5/3 05:00)
東京大学の塩見淳一郎准教授(物質・材料研究機構情報統合型物質・材料研究拠点兼任)らは、人工知能(AI)技術を材料設計に応用して熱伝導材料を設計する手法を開発した。AI技術の活用で計算コストを数%に抑えられた。また熱を伝えにくい材料について従前の発想にはない構造を発見した。
2種類の元素で構成される結晶材料の熱輸送シミュレーションにAI技術のベイズ最適化を応用した。多数の結晶構造の候補の中からランダムに20種類の候補を選んで熱抵抗を計算し、この結果をもとにしてさらに20種類の候補の熱抵抗を計算することを繰り返す。
この結晶構造の絞り込みにベイズ最適化を応用する。するとすべての候補を計算せずに、数%の候補を計算するだけで最適な結晶構造を特定できた。従来は熱抵抗を大きくするには周期的な層構造が有効と考えられていたが、AI活用で非周期的な構造が有効と確かめられた。熱電変換素子などの性能向上につながる。
(2017/5/3 05:00)