日銀展望、家計と乖離−夫婦の小遣い過去最低、世帯貯蓄額も２割「０円」

日銀の言う景気「拡大」は本物か―。明治安田生命保険がまとめた「家計」に関するアンケートによると、「夫婦のお小遣い額」は２００７年の調査開始以来最低の２万５０８２円だった。

日銀は４月にまとめた展望リポートで国内の景気を「緩やかな拡大に転じつつある」と分析。だが今回の調査で「家計に余裕ができた」と回答したのはわずか８・０％。日銀と庶民感覚の乖離（かいり）が浮き彫りとなっている。小遣い額が過去最低となったほか、世帯の貯蓄額は約２割が「０円」と回答するなど深刻だ。

明治安田生命の小玉祐一チーフエコノミストは「２月の完全失業率が２２年ぶりの低水準となるなど雇用需給は引き締まっているが企業は賃上げに慎重。求人が非正規に偏っていることも影響しているのでは」と分析する。

妻のランチ代だけは調査開始以来最高を記録した。