[ ICT ]
(2017/5/13 22:00)
米アップルは米国の先端製造業を支援するために創設したファンドの支援先第1号として、米コーニングを選んだと12日に発表した。コーニングは世界最大級のガラスメーカーであり、同社が開発した高い強度を持つ特殊ガラス「ゴリラガラス」は2007年のiPhone(アイフォーン)初号機からアップルに採用され、iPadほか他社のスマートフォンやタブレット端末にも幅広く使われている。今回の2億ドルの投資は、コーニングでの研究開発をはじめケンタッキー州ハロッズバーグにある工場の最先端ガラス製造プロセスとその設備投資に充てられるという。
これに先立ち、アップルのティム・クック最高経営責任者(CEO)は5月3日のCNBCとのインタビューで、米国の先端メーカーの製造技術革新や高いスキルを持った熟練作業者の育成を後押しする10億ドル(約1130億円)規模のファンドを創設する計画を表明していた。
コーニングのウェンデル・ウィークス会長兼社長兼CEOは声明で「当社のアップルとの長年にわたる関係は消費者に新たな可能性を提供するガラスのイノベーションを生み出しただけでなく、米国内で1000人近い雇用を創出し、国内での事業規模の拡張にもつながっている」と述べるとともに、今回の投資により、「ハロッズバーグ工場はガラス技術のグローバルセンターであり続けるだろう」と宣言した。
アップルによれば、同社はビジネスを通して米国内で約200万人の雇用に関わっており、うちアップルとの取引やアップルからの投資を通じて約45万人は米国のサプライヤーが雇用しているという。2016年だけでも500億ドル(約5兆6500億円)以上を米国内のサプライヤーやメーカーに支払っているという。
(2017/5/13 22:00)