浅草寺五重塔に新日鉄住金製チタン材 保守・修繕の手間省く

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  チタン屋根が完成した浅草寺五重塔

東京・浅草の浅草寺五重塔で、新日鉄住金のチタン材を使った屋根瓦にふき替える作業が完了し、報道陣に１３日公開された。従来使っていたアルミニウム合金製の瓦より単価は高いものの、頑丈なほか保守・修繕の手間を大幅に省けるという。

１９７３年の再建以降、老朽化が進んだ塔全体を改修する工事の一環として、１６年７月から屋根のふき替え工事を進めていた。全体の設計・施工を清水建設が担当し、社寺の建築で４０００件余りの実績があるカナメ（宇都宮市）が瓦の成形と施工を手がけた。チタン製の瓦を約５万７０００枚使っており、総工費は約６億円。

チタン表層を覆う酸化膜に手を加え、長年使い込んだような風合いを出しており、日本の伝統建築の粋を参拝者も堪能できそうだ。

本堂とその手前にある「宝蔵門」でも、土瓦からチタン製の瓦にふき替える工事を一足先に終え、屋根を大幅に軽量化した。チタン瓦は土瓦に比べて屋根に固定しやすく、１１年３月の東日本大震災でも、落下事故は１件もなかったという。