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[ 中小・ベンチャー ]
(2017/6/15 05:00)
知的財産ソリューションをグローバル展開する仏クエステルは、5月半ばに数億円を投じ、知財関連ソフトウェアの開発・販売を手がけるアルトリサーチ(東京都江東区)を買収した。事業承継に悩んでいたアルトリサーチとともに、同社が顧客として抱える中小企業や研究所など1200社をクエステルが引き継いだ。来日したクエステルのグローバル・セールス・ディレクター、ミゲル・イグレシアス氏は、買収を機に日本展開を加速し、「4、5年後に日本の売り上げを現時点に比べて倍増の20億円にしたい」と言葉に力を込める。
これまでクエステルが抱える日本の顧客300社は、パナソニックやNECなど大手グローバル企業が中心。アルトリサーチの顧客を取り込むことで、知財ソリューションについて大企業から中小企業まで幅広くサービスを提供できる利点が生まれる。
イグレシアス氏によれば、すでに中小向けサービスをリリースする準備も進めている。ITで企業法務の事務作業を効率化する「リーガルテック」の分野で、中小向けシステムプラットフォーム(基盤)を開発し、近く日本を含めた世界市場に投入する計画だ。
クエステルが1986年に対日進出を果たしてから20年。当初はフランス・テレコムからスピンオフして間もなかったこともあり、「(製品やサービスが)日本の中小企業向けではなかったかもしれない」と同氏は振り返りつつ、「当社の企業としての成長、製品・サービスの充実と進歩、ニーズの高まり、どれを取っても日本で事業を加速するのにふさわしい時期を迎えた」と、新たな戦略で飛躍を期す構えでいる。
(2017/6/15 05:00)