(2024/12/23 05:00)
日本製鉄によるUSスチール買収は実現するのか。対米外国投資委員会(CFIUS)が買収による安全保障上の影響を審査しており、23日にその審査期限を迎える。買収を認めるのか、認めないのか、審査延長となるのか、気がかりだ。
18日のロイター通信によると、CFIUSが14日付で日鉄に送った書簡を確認したところ、結論には至っておらず、「このままの状況なら最終的にバイデン氏の判断に委ねられる形になる」という。
この報道に先立つ10日、ブルームバーグはバイデン米大統領が近く買収阻止を表明すると伝え、日鉄は「公正な結論を得るために、あらゆる手段を検討し、講じていく」との声明を出している。
石破茂首相はバイデン大統領に対し買収計画承認を求める書簡を送ったという。バイデン氏はこれを看過するのだろうか。これまでCFIUSによる審査は基本的に中国抑止が狙いだった。同盟国・日本の企業の計画阻止となれば異例の事態だ。
バイデン大統領が買収を承認しても2025年1月にはさらに強硬なトランプ氏が大統領に就く。ソフトバンクグループの孫正義社長への対応と同様、米国に資する鉄鋼への巨額投資も新大統領は歓迎するべきだ。
(2024/12/23 05:00)