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[ エレクトロニクス ]
(2017/6/23 19:30)
東芝は23日、6月末が法定期限の2017年3月期有価証券報告書の提出の期限延長を関東財務局に申請し承認された。延長は8月10日まで。17年3月期連結業績については、3月末の債務超過額が従来予想の5400億円から5816億円に拡大する見通しだと発表した。これを踏まえ、東証は上場ルールに従い、東芝株を8月1日付で東証1部から2部に降格させると発表した。
有価証券報告書の延期申請は、四半期ベースを含め、不正会計が発覚した15年3月期以降で5度目となる。延期は、米原発子会社ウェスチングハウス(WH)の巨額損失の認識時期をめぐる監査協議が終わらず、決算確定が遅れているため。投資判断に重要な経営情報を提供する報告書の度重なる延期は極めて異例。東証が行っている東芝株の上場維持の是非の審査への影響は必至だ。
東証は有価証券報告書に基づき、上場市場を判断する。報告書は遅れているが、東芝が提出した財務書類の「貸借対照表」で、「3月末の債務超過を確認した」として、2部降格を決めた。来年3月末までに債務超過を解消できなければ、上場廃止となる。
記者会見した綱川智社長は「財務基盤を早期回復、上場を維持し、株主や投資家に迷惑を掛けないよう努力する。有価証券報告提出へ監査人と協調し最善を尽くす」と語った。
東芝は28日に開く株主総会で通常は行う決算報告を見送り、業績見通しを説明する方針。23日発表した業績見通しでは、債務超過額のほか、連結純損失も従来予想の9500億円から9952億円に拡大した。WHの債務保証に関する米電力会社との交渉や投資家からの損害賠償請求などの費用が影響した。
東芝は、昨年12月にWHが手掛ける米国での原発建設事業で巨額損失が生じると発表。監査を担当するPwCあらた監査法人は、WH経営陣はかなり前から損失を認識していた可能性があるとして、16年3月期決算の修正が必要かどうかを含め調査の継続を求めていた。WHが3月に米連邦破産法11条(日本の民事再生法に相当)の適用を申請したことも決算遅延に影響した。
サザエさんCM継続、「一定の価値」
東芝の綱川智社長は23日の記者会見で、国民的テレビアニメ「サザエさん」の番組スポンサーに関し、「一定の有効価値があり、何か変更を決めたことはない」と述べ、CM提供を継続する考えを明らかにした。
東芝は40年以上、サザエさんでCMを提供しており、同社製品の浸透に貢献している。2015年に発覚した不正会計で経営が悪化してもサザエさんのスポンサーを続けてきた。(時事)
(2017/6/23 19:30)