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[ 科学技術・大学 ]
(2017/7/5 05:00)
【名古屋】ファインセラミックスセンター(JFCC)ナノ構造研究所電池材料解析グループの幾原裕美研究員らは、リチウムイオン二次電池用の正極膜における劣化メカニズムを解明した。正極膜の充放電前後を構造解析した結果、リチウムイオンが充電によって離脱した空のサイトに、コバルトイオンが移動するなどしてリチウムイオンの移動を阻害、電池容量が低下する。解析結果は電池材料の長寿命化、高機能化につながる。
正極膜を走査透過型電子顕微鏡で解析した結果、表面から5ナノメートル(ナノは10億分の1)の範囲で構造が変化していた。リチウムサイトの一部が原子サイズの大きいコバルトに置き換わってふさがれ、放電時にリチウムイオンが戻るサイトが減ることが容量低下になる。酸素の欠損によりリン酸の四面体構造がゆがむことも分かった。
今回の成果を電池材料の表面構造制御、界面設計に生かせれば、電池の性能向上につながる。
(2017/7/5 05:00)
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