[ その他 ]
(2017/7/19 05:00)
ホーチミン発
2017年07月18日
セブン-イレブンのベトナム1号店から4号店が、6月から7月にかけてホーチミン市内に相次いでオープンした。同市では日系コンビニエンスストアのファミリーマートとミニストップが合計200店舗以上展開しており、日本でのコンビニ店舗数トップのセブン-イレブン進出によって、コンビニ業界の競争は一層激しくなると予想される。
1号店の初日は入場制限も
セブン-イレブン1号店が6月15日に出店したのは、ホーチミン市のサイゴントレードセンター1階で、店舗スペースは164平方メートル。同社はこれまで世界17カ国に展開済みで、ベトナムは18カ国目となる。開店初日は長い列ができ、入場制限がかかるほどの盛況ぶりだった。セブン-イレブン・ジャパン代表取締役社長の古屋一樹氏は、「安心・安全・フレンドリーな商品やサービスは万国共通のニーズであり、セブン-イレブンは距離だけではなく、心理的にも『近くて便利』なサービスを提供していく」「コンビニビジネスは『場所・商品・サービス』の掛け算で競争力が生まれる」と語る。
セブン-イレブンは、ミートボール弁当、ベトナムのおこわ「ソイ」を使用したソイギリなどのオリジナルメニューを充実させているほか、店舗内で調理されたバインミー(ベトナム風サンドイッチ)や、さまざまな総菜を選んで弁当にして購入できるなど、競合他社との差別化を図っている。取り扱う約2,000商品のうち、日本からの輸入は15商品(プライベートブランド)にとどまっている。ベトナム市場への参入を目指す日系加工食品メーカーにとっては、セブン-イレブンの進出により展開先の候補が増えたといえそうだ。
今後3年間で100店舗まで拡大予定
セブン-イレブンはホーチミン市内に6月中に1~3号店を、7月7日には4号店を開店させた。今後は競合他社と同様に、都市部を中心に集中出店する「ドミナント(高密度集中)方式」で、2017年内に20店舗、今後3年間で100店舗まで拡大する予定という。
店舗の運営は、セブン&アイ・ホールディングスの子会社の7-Eleven(米国)がマスターフランチャイズ契約を締結している地場系セブンシステムベトナム(以下、セブンシステム)が行う。セブンシステムとセブン-イレブン・ジャパンとの間に資本関係はなく、日本側はオペレーションなどの技術支援やアドバイスを行っていくという。そのため出店計画、商品や総菜のベンダー選定などは全てセブンシステムが担う。
一方、コンビニ店舗の増加とともに好立地の土地は減少傾向にあり、進出先の選定は困難になりつつある。日本では店舗数最大のセブン-イレブンだが、当地でいかにブランドイメージを浸透させるかが課題といえそうだ。
(2017/7/19 05:00)