ローム、マイルドＨＶ向けＤＣ／ＤＣコンバーター開発−高電圧から一気に降圧

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  開発したＤＣ／ＤＣコンバーターを搭載した回路基板（右）と、従来製品を搭載した回路基板

【京都】ロームは、４８ボルトで駆動するマイルドハイブリッド車（ＨＶ）向けに適した直流（ＤＣ）／ＤＣコンバーター「ＢＤ９Ｖ１００ＭＵＦ―Ｃ」を開発した。６０ボルトの高電圧から一気に２・５ボルトの低電圧まで降圧できるのが特徴。降圧比は２４対１で、業界最高性能という。これまで複数必要だった電源ＩＣを一つで構成でき、機器の小型化やシステムの簡略化が見込める。サンプル価格は１０００円（消費税抜き）。１２月から月１０万個体制で量産を始める。

２メガヘルツ（メガは１００万）で動作するスイッチングのパルス幅を、業界最小となる９ナノ秒（ナノは１０億分の１）まで短くする独自の制御技術により、業界最高の降圧比を実現した。従来、高電圧から降圧する場合は、１２ボルトの中間電圧を作るなど２段階で電源ＩＣを使用する必要があった。またパルス幅を短くすることでスイッチング周波数を２メガヘルツ以上に維持し、ＡＭラジオ帯域への干渉を防止できる。

４８ボルトマイルドＨＶは、１２ボルトの鉛電池と４８ボルトのリチウムイオン電池を併用する。車の機能に応じて電池を使い分けることで、エンジンへの負担を軽減できるのが特徴。環境性能の高さから、欧州を中心に導入が拡大している。