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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/8/19 13:30)
数年前にプラグインハイブリッド車(PHEV)のスポーツカー「フィスカー・カルマ」で脚光を浴びた自動車デザイナーのヘンリック・フィスカー氏が帰ってきた。同氏が2016年に設立しCEOを務める米フィスカー(カリフォルニア州)が、ラスベガスで2018年1月に開催される「CES 2018」で高級電気自動車(EV)をデビューさせるという。果たして今度こそ、「テスラキラー」となるかどうか。
オンラインニュースのTheStreetのインタビューでフィスカー氏が明らかにした。それによれば、全輪駆動(AWD)の高級EV「フィスカー・エモーション(Fisker EMotion)」は、400マイル(約640キロメートル)を超える航続距離を持ち、最短9分でフル充電できる新しいバッテリー技術を搭載する。ちなみにテスラ車向け充電ステーションのスーパーチャージャーでは、30分で充電が完了する。
光レーダースキャナー(ライダー)も内蔵し、近い将来に「レベル4」の自動運転機能を持たせるという。サイドミラーにもカメラを取り付け、運転者が周囲360度の風景を見渡せるようにする。価格は12万9900ドルから。19年の出荷開始予定。7月から予約金2000ドルでの事前予約を開始している。
さらに20年には、先月7月に出荷が始まったテスラ「モデル3」の対向馬となるエモーションの廉価版を投入する考え。モデル3のベース価格3万5000ドルより1000ドルほど安い、3万4000ドル程度からの価格設定を目標にしている。
デンマーク出身の自動車デザイナーとして、BMWの「Z8」ロードスターなどで辣腕を振るったフィスカー氏の起業家としての歩みを振り返ると、05年にBMWおよびアストンマーティン時代の同僚と高級カスタム車をデザインする米フィスカー・コーチビルドを設立。07年には、テスラに雇われ、同社の現在の主力車種である「モデルS」の初期設計に関わったこともある。
続いて07年8月に米フィスカー・オートモーティブを立ち上げ、08年にPHEV「フィスカー・カルマ」を北米国際自動車ショーで公開した。カルマの量産は11年に始まったものの、バッテリーの不具合から炎上や爆発事故を起こし、度重なるリコールを余儀なくされた。
さらに、これをきっかけにリチウムイオン電池の供給元の米A123システムズが12年に経営破綻。フィスカー・オートモーティブも車両が生産できなくなり、13年11月に倒産した。
その後、A123が13年、フィスカー・オートモーティブが14年に、ともに中国最大の自動車部品メーカーである万向集団に買収。ただし、「フィスカー」の商標はフィスカー氏が保有していたことから、旧フィスカー・オートモーティブはカルマ・オートモーティブと社名を変え、「フィスカー・カルマ」のブランドも「リベロ(Revero)」に変更されている。
Fisker EMotion - Electrifying Emotions from Henrik Fisker on Vimeo.
(2017/8/19 13:30)