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【電子版】先週の注目記事は?(解説付き)

(2017/8/29 05:00)

■アクセスランキング・ベスト10(8/21~8/27)

1位 トヨタなど車各社、先端技術研究・開発を加速 日産は外部委託増

2位 経産省・文科省、AI施策拡充 概算要求、半導体開発に126億円

3位 JDI、有機ELパネルのライセンス供与-サムスン対抗陣営形成

4位 有袋類祖先の仲間、熊本で化石発見 国内初

5位 日産、コネクテッドカーのデザイン組織新設

6位 文科省、産学連携プロ統括者に高額報酬-18年度から助成金

7位 がん治療薬オプジーボ、重症筋無力症で重篤化-慶大が発見

8位 深層断面/セパレーター“戦国時代”-素材各社、相次ぎ大型投資 EVシフト追い風

9位 ソニー、スマホゲーム本格参入 スクエニと共同開発も

10位 関西学院大・JAXAなど、初期宇宙解明へ観測実験 感度10倍の新型望遠鏡

■解説:経産省・文科省、AI施策拡充 概算要求、半導体開発に126億円(8/25)

  • グーグルのTPU(第2世代)が搭載されたボード(グーグル提供)

 かつては「電機立国」「半導体立国」という威勢の言葉が飛び交っていた日本。今では家電やパソコン、スマートフォンで海外勢に押され、かつての面影はない。半導体も製造装置や材料ではいまだ高い国際競争力を保つ一方、東芝が事業部門を売却するフラッシュメモリーや、スマートフォン向けに需要が伸びているソニーのCMOSセンサーなどを除けば、デバイスでの存在感は低い。

 そうした中、半導体でいまホットな分野の一つが人工知能(AI)関連の半導体チップだ。この領域ではGPU(グラフィックス・プロセッシング・ユニット)大手の米エヌビディアが注目の的で、自動運転向けにトヨタ自動車はじめ各社と相次ぎ提携を果たしている。一方で、GPUは大量のデータを高速に処理できる半面、消費電力が大きいため、「AI用チップの本命ではない」(国内半導体関連メーカー)との見方も出てきている。

 そのため、グーグルでは消費電力を抑えたAI用の半導体として「TPU(テンサー・プロセッシング・ユニット)」を自社開発し、5月に公表されたその第2世代版は英ディープマインドの「アルファ碁」が世界最強の囲碁棋士を打ち負かすのに使われた。自社のデータセンターにも導入し、検索、写真、翻訳などのウェブサービスで、消費電力を抑えながら処理の高速化や機能の高度化を実現している。

 ほかにも、IBMでは人間の神経回路を模したニューロチップを開発し、アップル、マイクロソフトがAIチップの自社開発に乗り出している。この分野で後れをとっていたインテルも、AIのソフトと半導体開発を手掛けるベンチャーのナバーナ・システムズを昨年買収し、反転攻勢を狙う。

 国内勢では富士通、NECなどがAI用半導体を開発中。スーパーコンピューター開発ベンチャーのPEZYコンピューティングが機械学習専用プロセッサー開発のために立ち上げたDeep Insightsという企業もある。AIはソフトウエアやルゴリズムの部分がどうしても注目されがちだが、需要拡大に伴って、AIを支えるハードウエアの半導体でも激しい競争が繰り広げられようとしている。

(2017/8/29 05:00)

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