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[ 科学技術・大学 ]
(2017/10/11 14:30)
米インテルは10日、量子コンピューター用のテストチップを同分野の研究パートナーであるオランダのキューテック(QuTech)向けに出荷したと発表した。開発したのは極低温で稼働する超電導仕様の17量子ビットのプロセッサー。量子コンピューターのアルゴリズムを研究するキューテック側では、このテストチップを使い、量子ビットのエラーを修正する手法の研究などに役立てるという。
量子コンピューターは0と1だけでなく、0と1が重ね合わせ状態もとることができる量子ビットを使い、複雑な計算を超高速で行えるものとして実用化が期待されている。ただし、量子ビットはノイズなど外乱の影響を受けてデータエラーが起きやすいため、絶対零度近い極低温で扱われることが多い。
そこでインテルでは、新たなアーキテクチャーや極低温に適したパッケージングの工夫により、量子ビット間の電磁波干渉の影響を減らすことでチップの信頼性を向上。また、通常のワイヤボンディングのチップに比べ、相互接続を行うインターコネクトの部分が10-100倍の信号をやり取りできる上、規模の大きな量子ビットにも拡張可能な仕様とした。
キューテックはオランダ・デルフト工科大学発のベンチャー企業で、2015年からインテルと量子コンピューター分野で協力関係にある。テストチップを使い、量子もつれ状態にある複数の量子ビットを制御したり、計測したりすることでエラー修正の研究に役立てる方針という。今回、インテル側ではオレゴン州のコンポーネント研究グループと、アリゾナ州にある組み立て試験・技術開発チームが協力してチップの設計とパッケージングを行った。
(2017/10/11 14:30)