[ ICT ]
(2017/10/14 10:00)
2018年に発表されるアップルのiPhone(アイフォーン)新製品すべてに3次元(3D)の顔認証機能「フェイスID」が搭載される可能性が高い−。こうした予測をKGI証券アナリストのミンチー・クオ氏が投資家との会合で明らかにしたと米メディアが報じた。
新製品全モデルで全面スクリーン化も
クオ氏はアップルのハードウエア新製品についての予測で定評がある。同氏の予測によれば、9月に発表されたiPhone X(テン)のように、ディスプレー周りのベゼル(額縁)がほとんどない、ほぼ全面スクリーンのデザインを来年発表する新製品の全モデルで採用するという。
9月に発売されたiPhone 8/8プラスはこれまでの指紋認証機能の「タッチID」を採用し、最上位機種のiPhone XだけフェイスIDを搭載している。フェイスIDについての予測が本当であれば、13年以降のモデルで採用されてきたタッチIDが廃止されるだけでなく、現在開発中と噂されるディスプレーそのものにタッチIDを埋め込む新技術がお蔵入りになる可能性もある。
クオ氏によれば、アップルがフェイスIDに全面移行するのは、18年も顔の凹凸まで高精度に検出する3D顔認証機能がiPhoneの最大の売り物の一つと見られるため。さらにこうしたアップルの動きを受け、アンドロイド陣営のスマートフォンメーカーも指紋認証から3D顔認証にシフトすると見ている。
ただ、11月3日発売予定のiPhone Xは、生産の遅れから品薄状態が当分続くとされている。その大きな理由はフェイスIDのセンサーとして使われる「TrueDepth(トゥルーデプス)カメラ」の量産が追いつかないため。
TrueDepthカメラはフロントカメラと組み合わせることで精度の高い生体認証を可能にする一方、赤外線カメラや近接センサー、ドットプロジェクターなどを組み込み、他社が採用する顔認証センサーに比べて構造が複雑なことから量産が難しいと言われている。アップルにとってiPhone新製品へのフェイスID全面採用には、こうしたボトルネックを早期に解消する必要がある。
これに先立つ9月、クオ氏は「18年発表のiPad(アイパッド)プロがフェイスIDに移行する」との予測も出している。それ以外のiPadやパソコンのMac(マック)が3D顔認証を採用するかどうかについては、はっきりしていない。
(2017/10/14 10:00)