[ オピニオン ]
(2017/10/24 05:00)
10月から始まったNHKの連続テレビ小説『わろてんか』。タイトル通り「笑い」が大きなテーマになっている。「笑いは人にしかないもの」「笑いは人を幸せにする薬なんや」。ドラマのせりふには、笑いの大切さや笑いの持つ効果なども盛り込まれる。
笑いの力は昔から指摘されている。人との関係性を円滑にし、スピーチの場で笑いを誘うネタを盛り込む人は少なくないだろう。
医療での活用も注目される。大阪国際がんセンター(大阪市中央区)は5―8月にかけ、がん患者らを対象に落語や漫才の鑑賞会を複数回開き、免疫力に与える効果を探る実証研究を行った。
笑いを一大ビジネスにしたのは吉本興業である。ドラマの主人公は吉本の創業者、吉本せいがモデル。女興行師として寄席のチェーン展開を行い、吉本の基礎を築いた。
大阪企業家ミュージアムでは、今月から特別展示「吉本せい物語」を開催中だ。明治・大正・昭和を駆け抜けた大阪を代表する女性企業家と紹介する。パネル説明では〈寄席の入場料を安くしお客さんを集め、中でおかきやせんべいなど喉が渇く食べ物を売り、飲料の売り上げも伸ばした〉とある。したたかな吉本経営が初期からうかがえるのも興味深い。
(2017/10/24 05:00)