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[ 自動車・輸送機 ]
(2017/10/27 23:00)
吉永社長「心からおわび」
SUBARU(スバル)は27日、工場から新車を出荷する前に安全性などを最終チェックする完成検査体制に関する社内調査の結果を発表した。主力工場の群馬製作所(群馬県太田市)で、資格のない従業員が過去4年間で平均8人程度従事していたことが判明。無資格者が検査に関わった全生産車種25万5000台をリコール(回収・無償修理)する。
国内の乗用車メーカー8社のうち、完成検査のルールが守られていなかったことが判明したのは日産自動車に続き2社目。日本車の高品質イメージにもマイナス影響を与えそうだ。
東京都内で同日記者会見したスバルの吉永泰之社長は、「心からおわび申し上げる」と謝罪。不正という認識がないまま「30年以上前からずっとやってきた」と説明した。無資格検査判明に関わる経営責任については「強く感じている」としながらも、「会社の実力を上げていくことに全力を注ぎたい」と述べ、社長を続ける意向を示した。
国土交通省が9月29日、日産の不正問題を受けて自動車各社に社内調査を指示。これを受けたスバルの調査では、完成検査員に登用する前の研修中の従業員が本来関わってはいけない完成検査に従事していたことが10月3日に分かり、直ちに是正したという。
同社の業務規定では、完成検査員に登用する前の現場経験を義務付けており、規定自体が完成検査員しか完成検査を行ってはいけないという国のルールと矛盾していた。研修中の従業員に完成検査員のはんこを貸し、押印もさせていたという。今後は誤った運用が続かないよう、業務規定を体系的に整理し直す。
同社は30日に社内調査結果を国交省へ報告するとともに、リコールを届け出る。対象は車検を1度も受けていない10月3日まで3年間の製造車両で、費用は50億円強となる見通し。今後の生産・出荷については、国交省の判断を仰いで決める。(時事)
まずいとの認識なかった
SUBARU(スバル)の吉永泰之社長が27日行った記者会見の主なやりとりは次の通り。
多大なご迷惑、心配をお掛けし、おわびする。日本の『ものづくり』への不安要素となっていることには、じくじたる気持ちがある。
―なぜ起きたか。
社内規定が整理されていれば法令違反にはならなかった。30年以上前から続けていた。まずいという認識が全くないままきてしまった。
―生産が急拡大していることとの因果関係は。
関係ないと思っている。工員数不足で代行させたわけではない。ただ、生産台数が伸びており、現場の負荷が高まっているのは事実だ。
―もっと早く公表できたのではないか。
問題があるかどうか解釈の部分が多く、国土交通省に問い合わせて議論を尽くすべきだと考えた。隠す気持ちは全くない。
―日産の問題がなければ発覚しなかったか。
そうだと思う。
―生産、販売は続けるのか。
現時点では続けているが、国交省との相談が必要になる。販売への影響は懸念している。ブランドに傷が付くことを心配している。
―経営陣の責任は。
安心・安全に関することで不安を感じさせることは、スバルのブランドとして最もやってはいけないことだ。トップとして責任を強く感じている。会社の実力をもう一段上げることにまずは全力を注ぎたい。(時事)
(2017/10/27 23:00)