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[ 科学技術・大学 ]
(2017/11/1 05:00)
退屈な会議でついつい眠くなってしまうのはなぜか―。誰もが経験する通常の生理的な欲求とは異なる眠気の起きる仕組みについて、筑波大学国際統合睡眠医科学研究機構の大石陽研究員らがマウスの実験で明らかにした。やる気に関わる脳部位に存在する特定のニューロン(神経細胞)を選んで活性化すると、睡眠が強く誘発されていた。逆に抑制すれば、睡眠量が減少することが分かった。
脳内物質の「アデノシン」は通常、睡眠作用を持つが、その受容体を阻害すると覚醒状態になる。研究チームは、モチベーションと関連する脳部位「側坐核」にアデノシンの受容体が多く存在することに注目。アデノシンの受容体を発現するニューロンを活性化したところ、強力に睡眠が誘発された。
一方、このニューロンの活動を抑制すると睡眠量が大きく減少するのを確認した。
さらにこのマウスを長時間覚醒させても、側坐核のニューロンの活動に変化はなかったが、好物のチョコレートやオモチャなど、モチベーションが高くなるものを与えた結果、このニューロンの活動は低下し、睡眠量が減少した。
このニューロンが通常はどのように活性化されて睡眠を誘導するかは不明だが、研究が進めばより安全な睡眠障害治療薬の開発につながる可能性がある。
(2017/11/1 05:00)
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