[ 政治・経済 ]
(2017/12/1 06:30)
政府は30日、安倍政権の看板政策「人づくり革命」の具体化を議論する「人生100年時代構想会議」の第3回会合を首相官邸で開いた。メンバーの榊原定征経団連会長は席上、待機児童対策費について、産業界が3000億円を上限に追加負担することを正式に表明した。安倍晋三首相が10月の前回会合時に行った要請を受諾した。
産業界が負担する3000億円は、認可保育所の運営費や、企業が従業員のために設置する「企業主導型保育所」の整備費などに充てる。2018年度に、まず1000億円を拠出する見通しだ。
榊原氏は同会合で、「従業員の就労継続や、仕事と子育ての両立を後押しする観点から協力する」と発言。同時に、負担に応じる条件として、消費税率の10%への引き上げを前提とすることや、負担感が大きい中小・零細企業に対する支援策を要望した。
政府は12月上旬に、幼児教育・高等教育の無償化を柱とした2兆円規模の政策パッケージをまとめる予定。消費税増税で手当てできるのは1兆7000億円程度で、不足する3000億円分の確保が課題となっていた。
産業界の負担分は、社会保険の「事業主拠出金」の負担料率を20年度まで段階的に引き上げることで捻出する。政府は現行の法定上限0.25%を0.45%程度に引き上げる関連法案を来年の通常国会に提出する。
一方、この日の会合では、社会人が大学などで学び直す「リカレント教育」を推進するための環境整備や大学改革についても協議。大学と企業が連携してカリキュラムを作成する案などが出された。ただ、本格的な検討は年明け以降とし、政策パッケージへの具体策の盛り込みは見送る。(時事)
(2017/12/1 06:30)