[ 金融・商況 ]
(2017/12/8 08:30)
(ブルームバーグ)仮想通貨ビットコインが7日の取引で急騰し、初めて1万6000ドルを突破した。米国での先物取引開始を控えて売買が急増し、米最大の取引所、コインベースは機能停止や処理遅延を警告した。
懐疑派の声にもかかわらず、24時間での値上がり幅は3000ドルを超えた。コインベースのほか、ウォレットサービスのトレゾーもサーバーに「小さな問題」が発生したとツイート。ビットコイン取引所最大手のビットフィネックスはここ数日受けているサービス妨害攻撃が悪化したと、ツイッターで明らかにした。
複数の取引所の価格を総合したブルームバーグの価格によると、ビットコインはニューヨーク時間午後1時15分現在で1万6395ドル。年初来の上昇率は1500%を超え、時価総額は2740億ドル(約31兆円)。7日には1万3363.25ドルでアジア時間に取引を開始し、一時1万6777.08ドルに達した。
ロイヤル・バンク・オブ・スコットランド・グループ(RBS)のハワード・ジョン・デービーズ会長は、7日にブルームバーグテレビジョンとのインタビューでビットコインについて、「これは根拠なき熱狂だ。極めて特異な市場であり、正常な双方向の取引がある市場ではない」と発言した。
取引急増の中でコインベースでは一時、他の取引所に比べ3000ドル以上高い1万9697ドルを付けるなど、価格の乖離(かいり)も浮き彫りになった。CBOEグローバル・マーケッツは10日に、CMEグループは18日にビットコイン先物取引を開始する。ビットコインのデリバティブ取引では、1日の価格変動に制限を設けることが提案されており、7日のような市場の動きでは売買停止が作動すると見込まれている。
(2017/12/8 08:30)