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[ 建設・住宅・生活 ]
(2017/12/21 18:30)
リニア中央新幹線工事をめぐる談合事件で、大手ゼネコン大林組の幹部らが東京地検特捜部の事情聴取に対し、大手4社で受注調整をした理由について「JR東海の示した予算が少なく、利益を確保するためだった」と説明していることが21日、関係者への取材で分かった。
談合の動機に関する具体的な説明内容が明らかになるのは初めて。受注調整の協議を始めたのは、事業主体のJR東海が工事予算を公表した2014年ごろだったとも話しており、特捜部と公正取引委員会が詳しい経緯を調べている。
JR東海は14年8月、品川―名古屋間の工事実施計画を国に申請した。その際、工事費の予算は約4兆円に上ると公表した。関係者によると、特捜部は今月8日に大林組を偽計業務妨害容疑で家宅捜索して以降、同社土木部門トップの副社長(66)や担当部長らを任意で聴取。副社長らは当初不正を否定したが、その後大手4社による受注調整を認めた。
さらに「JR東海が14年に公表した予算を基に各工事の費用を積算した結果、正面から入札で競争すると利益を確保できないと判断した」と説明。当初は大林組、鹿島、大成建設の3社で受注調整を行い、後から清水建設も加わったという。
JR東海などはこれまでに計22件の工事を契約し、うち15件を大手4社の各共同企業体(JV)がそれぞれ3~4件ずつ受注している。
リニア工事の入札をめぐっては、大手4社の幹部らが工事ごとに事前協議していたことが判明。特捜部と公取委は、ゼネコン側が受注予定企業をまとめた一覧表も入手しており、調整の裏付けを進めている。(時事)
(2017/12/21 18:30)